体にいい油で揚げ物が出来るものと出来ないもの


かき揚げの調理法を見るとイタリアの人達はビックリします。
手品に見えるらしいです。

こんにちは
イタリアからおいしいもの探してお届けしています。
ヒナタノというお店の店主加藤と申します。

イタリア時代は、厨房で揚げ物を揚げておりました。

 

さて
揚げ物が、好きだけど健康のために控えなきゃいけない。でも、やっぱり食べたいから、体に良い油で揚げたらどうだろうか

こういうご質問を、オリーブオイルを探されているお客様から、いただくことがあります。

 

体にいい油で揚げ物して心配なのは、その油が、揚げ物の温度に耐えられるかですよね。

いくつかある体にいい油の中には、耐えられる油もございます。

体にいい油で揚げ物に使う油として、まず最初に候補から私が外すのは、人工的に合成した、いわゆる「体につかないから体にいい油」とテレビCMで紹介されていた油。

なぜなら、このような油が、本当に体にいい油か、疑問に思ってしまうことがあったからです。

上の写真をご覧下さい。これは以前、鉄のフライパンに「体に付かない油」を塗って、ぶら下げておいたら、垂れてきた油がワックス状になって、拭き取れないことがあった時のものです。驚いたので撮っておきました。

これは洗剤でも取れにくくて、同じ油を使ったら溶けて取れました。

体にいい油って、本当に目利きが難しいと思います。

例えば、発売された頃は「体にいい油」とされていたサラダ油が、今は認知症の原因物質を出していると言われているくらいなので、本当のところは、ずっと後になってみないと、体にいい油だったか分からないのかも知れないですね。

※サラダ油と認知症の関係については下に記事をご紹介しています。
「毎日の「サラダ油」が認知症を進行させる!」
 

こういう経緯もあるので、自然由来の体にいい油で揚げ物に使えるかご紹介してまいります。

アマニ油やえごま油、いわゆるオメガ3と言われるα‐リノレン酸が主成分の油ですが、これは、熱で酸化してしまうので揚げ物には使用できません。

次に米油ですが、これは、後からご紹介するピュアオリーブオイルと同じように、製造過程で有機溶剤を使用している可能性があるので、安価なものには注意が必要だと思います。

私は米油を買うときには、製造元の製法とか確認してから買うようにしています。

製造元のホームページを見て、歴史や他にどんなものを作っているかを見ていきます。

オリーブオイルもそうですが、「売れるから」という理由で、本業とは関係無く生産を始めている場合があります。

社史や会社概要に出ている生産物を見ていくと、健康に良く無さそうな生産物を作っている場合があって、そういう生産者の油は避けるようにしています。

米油も、ホームページをたくさん見ていると、良い生産者の方だなと思うことがあるのですが、米油は専門外なのでご案内候補から外させて下さい。

でも、個人的に使っているのは、こちらの米油です。紙パックのを購入するようにしています。

まいにちのこめ油

菜種油は青森県横浜町のものが良いと聞いたことがあります。

ごま油は、横浜市の岩井さんという生産者のを愛用しています。
岩井の胡麻油株式会社

さて、オリーブオイルにお話しを戻します。
エキストラバージンオリーブオイルは、主成分は酸化に強いオレイン酸です。体に良い油での揚げ油候補に十分なります。

日本では、何種類かのオリーブオイルが売られています。

・エキストラバージンオリーブオイル
・ピュアオリーブオイル

大きく分けると、この2つです。

ほかにも、ポマースとかランバンテとかありますが、原料や製法を考えると、私は食用としてお勧めできません。

このポマースとかランバンテオリーブオイルは、イタリアでは食用として一般には売られていません。

 

ピュアオリーブオイルですが、別名で二番搾りと言われる事があります。

エキストラバージンオリーブオイルが一番搾りで、ピュアオリーブオイルは二番搾りという事らしいのですが、この二つ、かなり違うのです。

ビールの一番搾りと二番搾りのような関係ではありません。

 

例えば、ピュアオリーブオイルの一部のメーカーは、原料として”エキストラバージンオリーブオイルを搾った後のオリーブの実の搾りかすに、有機溶剤を使用して絞り出した油”を使っている事があります。

このようなイタリアでは”サンサオリーブ油”(搾りかすオリーブ油)。そう呼ばれています。

一般的なイタリア人のは、食用に使いません。
もちろん、スーパーマーケットなどのお店にも売られていません。

 

イタリアにもエキストラバージンオリーブオイル以外のオリーブオイルもあります。

それは”オリオ ディ オリーバ(オリーブの油)”と呼ばれています。

エキストラバージンオリーブオイルの基準を満たせないオリーブオイルを精製して食用にしたものです。

これなら大丈夫だと思うのですが、でも、日本でオリオ ディ オリーバと同じ品質のオリーブオイルを確実に手に入るか自信無いです。

 

では、どうすれば良いか

 

確かに、私が扱っているようなエキストラバージンオリーブオイルで揚げ物をすれば、美味しいです。お客様が天ぷら職人さんに差し上げたら驚いていたらしいです。

サラダやパスタなど色々なお料理に使えますし便利です。

でも、1リットル換算で7000円くらいします。

 

ですので、私だったら揚げ物用に大きな会社のエキストラバージンオリーブオイル使います。

さすがに、エキストラバージンオリーブオイルと名乗る油に、有機溶剤を使用したオリーブオイルを原料に使用して無いと思います。

それにエキストラバージンオリーブオイルも意外に熱に強くて、概ね190度まで耐えられます。ギリギリですが揚げ物できますよね。

 

 

下にオリーブオイルの色々な記事をご紹介しています。
先ほどの認知症と食物油に関しての記事もご紹介しています。大学での研究結果らしいのですが、あまり知られてないですよね。

 

 

鮮度が良くて、飲んでも美味しいオリーブオイルについて
「飲んでも良いオリーブオイルと駄目なオリーブオイル」

 

#

ヒナタノ店主・加藤 昭広

おいしいもので喜んでいただくことが大好きです。おいしいものを探してイタリアへ移住。気がついたら仕事になっていました。
自他ともに認めるオリーブオイル ヲタクです。
このブログでは、おいしい話しやイタリアの職人さんたちから聞いた小ネタを紹介しています。