新物オリーブの正しい収穫時期とは?
そろそろ新物のオリーブオイルの予約が始まる頃と思います。
よく見ると生産者ごとに販売開始の時期が微妙に違いませんか?
でも、オリーブってだいたい同じ時期に収穫されるはずでは?と思われますよね。
こうなると気になられるのは、偽物オリーブオイル騒ぎの件です。
実は、オリーブの収穫は時期も回数も品種や産地によってバラバラなのです。
オリーブの収穫時期がバラバラだから新物が出る時期もバラバラ
実は、オリーブの収穫時期は、9月から2月頃まで非常に幅が広いです。オリーブの品種や地域によってかなりの差があります。
私が知っている中で一番早く収穫を始めるのは、シチリア島エトナ山近くの生産者で、確か9月末から収穫を始めます。
ものすごく早摘みにして、辛くて青いオリーブオイルを作るのが目的です。
対して、一番遅くまで収穫しているのが、リグーリア州のタジャスカ種オリーブ。
収穫開始は概ね10月末から始まります。そこから2月まで、完熟した実から順に何度も収穫を行います。
実は、オリーブの品種によって収穫回数にも差が出てきます。
1本の木に成っているオリーブが、同時期に搾りごろになれば一気に収穫するのですが、そうでは無いものもあります。
例えば、このタジャスカ種というオリーブは、1本の木でも実ごとバラバラに熟していくので2月まで収穫が続きます。
色もバラバラなタジャスカ種のオリーブ
オリーブの収穫方法や時期。自分たちが正しいと思っている(笑)
イタリア人は一般的に郷土愛が強いです。イタリアの国というより自分の故郷+属している州
オリーブオイルの生産者も同じでございまして、ほかの州のやり方を聞くと
「あいつらは何も分かっていない」と言う方もいらっしゃいます。
外国人の私から見ると、”だって気候も品種も違うじゃない” と思うのですが。。
でもこういう頑固者は、良い仕事をしてる事が多いですよ。
オリーブは収穫回数もバラバラだけど、新物が出るのは一度きり
確認したわけでは無いのですが、きっとデキャンティング(澱引き)もせずに濁ったまま出荷するのは大変だと思います。
オリーブオイルの濁り成分は、葉緑素のかたまり。非常に傷みやすいものです。この濁りが瓶詰めの機械などに付着すると掃除が大変なはずです。通常の収穫搾油作業だけでもてんてこ舞いな忙しさの繁忙期。何度も濁りオリーブオイルは作れないはずです。
オリーブオイルの収穫時期と回数は、いろいろなパターンがありますのまとめ
1.オリーブの収穫時期や収穫回数は、オリーブの品種や地方によってバラバラです。
9月の末に一気に収穫するところもあれば、10月から2月まで同じ木から何度も収穫する地域や品種もあります。
2.搾っただけで澱引きもしていない新物オリーブオイルの出荷時期もバラバラです。
ただし出荷回数は恐らく年に一度きり。濁り成分が生産ラインに付いたら掃除が大変。
最近、偽物オリーブオイルの避け方の記事が多くなってしまい、一人の輸入者として残念です。
本物で鮮度の良いエキストラバージンオリーブオイルは、オリーブの実の生搾りジュース。
それはそれは素晴らしく美味しく体にも良い。ぜひお試しになってください。