パスタを茹でて塩辛すぎた時の対処法を簡単な順にご紹介します

いただき物の高級パスタを茹でたら塩辛い、さて

いただき物の高級パスタ

せっかくなら本格的にお料理してみようと思って、本に出ていた約1%の塩加減で茹でていたら塩辛すぎた。茹で上がりまで残り3分。きっとこんな状態で記事をお読みですね。

茹でてるお鍋に水を入れて塩味を抑えることもできますけど、パスタを茹でているお湯に水を入れて急激に温度を下げると、いわゆるお蕎麦を茹でる時のビックリ水(差し水)になり、せっかくの高級パスタの食感が変わっちゃうのでお勧めできないです。

では、どうしましょう。
こういう時の対処法を手早くご案内します。

高級なパスタを無駄にしない茹でて塩辛すぎた時の対処法

高級なパスタも普通のパスタも、茹でている工程で塩辛くなっているのは主にパスタ表面のデンプン質です。これを適度にそぎ落としてしまえば、塩味は抑えられます。

まずは、パスタの茹で上がり残り時間で沸騰できる量のお湯を用意しましょう。緊急事態ですから、湯沸かし器のお湯でも、ポットのお湯でも何でもOKです。

オーガニックパスタ

第1段階 ほんの少しだけ塩辛い程度の対処法

パスタを茹でているお湯の温度が下がらない程度に、可能な限り早いタイミングでパスタを茹でているお鍋にお湯を加えて茹で汁の塩加減を薄くするようにします。あるいは、茹で上がり1分前程度からパスタをかき混ぜて、パスタ表面についている塩分をそぎ落とす。これだけでもパスタの塩辛さは抑えられますよ。

第2段階 結構塩辛い場合の対処法

第1段階を経てもパスタが塩辛いままでしたら、パスタをゆで上げてザルにあげてから、よく振って塩味を落としてみます。ちょうどラーメン屋さんの湯切りみたいな感じです。ラーメンの麺を茹で上げた後に、ザルでお湯を落としますよね。あれです。この時に大事なことは、この後のお料理の工程で必要かも知れないので、パスタの茹で汁をカップなどに残しておきましょう。塩辛い茹で汁ですが、薄めて使えば大丈夫です。

第3段階 塩分分量間違えなどの事故レベル、かなり塩辛い場合の対処法

最後の手段。ザルにあげたパスタに用意したお湯をかけちゃいます。こうすればかなり強過ぎる塩味も落とせます。でも、パスタ表面のデンプン質と、茹でたときに熱が加わって美味しくなっている塩分、パスタ表面の美味しい部分が無くなってしまいます。ですから、かけるお湯の量は、出来るだけ少ない方が良いですよ。

塩辛いパスタの対処法は、以上です。この先は、少しうんちくをご案内しますね。

パスタを茹でる時の塩加減は1%以上、でも注意しなければならないこと

「パスタを茹でる時の塩加減は1%以上」このこと、かなり知られてきましたよね。お蕎麦やうどんを茹でるときに入れる一つまみのお塩は、茹でているお湯の沸騰温度を上げるためですが、パスタの場合は、パスタ自体に塩味を付けた方が美味しいからです。この塩加減は、イタリアでは普通に行われているのですが、日本で行うときに注意しなければならないことがあります。それは具材の塩加減です。

トマトソース

イタリアの場合、パスタの具材はトマトソースでもクリーム系でも基本的にかなり薄味です。瓶詰めのパスタソースなどは塩味がほとんどありません。それはパスタの塩味が強いからなのです。パスタに付いている塩味は、デンプン質と塩が熱によって旨みに変わっているものです。それが薄味の具材に移って行って最終的に美味しいパスタに仕上がるという具合です。

日本の市販のパスタソースは、以前は味がしっかり付いていました。今も結構味が付いているかも知れません。昔、日本では、パスタを茹でる時もお蕎麦やうどんを茹でるのと同じように、お塩は一つまみでした。パスタに塩味を付けるという発想自体がありませんでしたからね。

茹でるお湯の塩加減をイタリア流にして塩味濃いめ茹で上がったパスタに、昔からある日本の味が濃いパスタソースにあわせたら味が強過ぎます。1%以上の塩加減でパスタを茹でる時には、パスタソースの味にご注意ください。日本の市販のパスタソースを使われる際には、まず最初にパスタソースを味見してみて、普通に美味しかったら、1%の塩加減でパスタを茹でたら、味が濃すぎると思います。

あえて塩辛く茹でる時もある高級料理店発祥のパスタ

あえて塩辛く茹でるパスタのレシピもあります。それは冷製パスタ。

日本のざる蕎麦にヒント得た言われるこのパスタが、最初にイタリアに登場したの年前のはミラノの高級店だと聞いた記憶があります。

この冷製パスタを作る際には、かなり塩辛くて柔らかめに茹でます。なぜなら冷水で冷やす際に、塩味が抜けますしパスタが締まるからです。塩加減が薄めだと何となく味の足りない冷製パスタになってしまいます。

オリーブオイルと冷製パスタ

ミシュラン星付きシェフが使うパスタ

最後に少しパスタの話を

パスタって、値段がピンキリですよね。何が違うかと申しますと、「原材料」と「作るのにかけた手間」これです。

時々、茹でていて吹きこぼれるパスタがありますが、パスタって、本当の作り方をしてあれば、茹でている最中には吹きこぼれません。それは、パスタは本来、セモリナという粗挽きの小麦粉で作るので、茹でているお湯の上に、吹きこぼれの原因になる泡の層が出来ないからです。

本当に美味しいパスタは、原材料も違いますし、パスタをゆっくり乾燥させることで、中のデンプン質を甘味に変えたり、色々手を尽くしております。写真のパスタは、海外で多くのミシュラン星付きシェフが愛用している私が輸入しているパスタです。写真をクリックいただけましたら、違いをお読みいただけます。ぜひ、ご覧になってみてください

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まとめ パスタを茹でて塩辛すぎた時の対処法

ポイントは、パスタ表面の塩味をできるだけ優しく取り除くこと。

まず最初に、残りの茹で時間内に沸騰する量のお湯を用意しましょう

その次に、茹で上がり前にパスタをかき混ぜてみたり、ザルにあげてからパスタを振ってみたりして出来るだけ塩味を落とします。それでも駄目なら最終手段、お湯をかけてしまいます。

いずれにしても、早い時点で塩味が強すぎる事に気づくのが大事です。調理中の味見って大事ですよね。

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ヒナタノ店主・加藤 昭広

おいしいもので喜んでいただくことが大好きです。おいしいものを探してイタリアへ移住。気がついたら仕事になっていました。
自他ともに認めるオリーブオイル ヲタクです。
このブログでは、おいしい話しやイタリアの職人さんたちから聞いた小ネタを紹介しています。