オリーブオイルで有機栽培と普通のもの。どちらが良いかご説明します。

サラッとしていて美味しいオリーブオイル

有機栽培エキストラバージンオリーブオイルって美味しい?

お店に行ったら、有機栽培エキストラバージンオリーブオイルと、普通のエキストラバージンオリーブオイルがありました。
価格は同じ。さて、どちらを買うのが良いか。

これは、美味しいのオリーブオイルにあたる確率が高い方を買うか、安心安全な食品を買うかの選択になります。

 


 

美味しい有機栽培エキストラバージンオリーブオイルには条件がある

有機栽培(オーガニック)エキストラバージンオリーブオイルは、もちろん農薬などが一切使えません。
そうなると、オリーブの実に付く害虫(オリーブミバエ)は薬剤で駆除できません。害虫も良く熟した美味しい実から食べるので、害虫がいる有機栽培のオリーブ農園では、害虫が食べ残した実を搾ってオリーブオイルを作る事になります。

オリーブオイルの日本語食品ラベル

では、害虫が少ない畑なら、美味しい有機栽培オリーブオイルが作れるということになりますよね。
害虫が少ない畑というのは条件があります。

1.標高が高い
標高が高いと、気温がオリーブミバエの生存できる最低気温15℃を早い時期に下回ることができます。熟して搾り頃になって、すぐ寒くなるから美味しい有機栽培オリーブオイルが作れます。hinatanoで扱っているオリーブオイルは、これにあたります。ブルーナ家の麓には、暖かく畑に何万本もオリーブがありますので、更に害虫が来にくい地形になっています。

2.周辺のオリーブ農園から、かなりの距離離れている。
私の取引先の畑がこれをやっています。決して標高は高くないのですが、ものすごく広い農園で、かつ、もの凄いお金持ちの農園主ですので、有機栽培の畑だけを草原のど真ん中に隔離して、周囲には農作物らしくものは何も植えない方法を取っています。ただし、このケースは極めて稀です。

標高が高く良い条件の有機栽培エキストラバージンオリーブオイルの畑
ブルーナ家の畑は標高431mのアウリーゴ村から
更に高いところにあります。

 


 

一般的に有機栽培エキストラバージンオリーブオイルが美味しくないと言われるもう一つの理由

有機栽培(オーガニック)のエキストラバージンオリーブオイルを搾るときは、虫食いの有無を調べます。
オリーブの実は収穫してからすぐに酸化が始まりますから、一粒ずつ調べる時間はありません。

どうやって調べるかと申しますと、収穫したオリーブの実を大きな水槽に入れます。
実に虫食いがあって、空洞がある場合は浮いてきますので廃棄します。しかし、虫がそのまま残っていたり、糞が詰まっていても水に沈んでしまうのです。

虫食いが少ない有機栽培エキストラバージンオリーブオイルの畑の実
ほぼ熟した実です。左側にある小さな点は虫がかじった跡
同じ時期に見た標高の低い有機栽培農園の実に比べて非常に少なかったです

 


 

美味しい有機栽培オリーブオイルの探し方

とても残念ですが、ボトルを見ただけで探すのは難しいと思います。大事なのは虫が少ない畑で作られたかを調べる事になるのですが、ボトルからそれを読み取ることは不可能だと思います。

害虫が少ない畑自体も非常に少ないです。有機栽培に適した標高450mから600mの高さにある畑は、ブルーナ家があるリグーリア州のインペリア県では、あと1,2カ所。フィレンツェやシエナという街がある北イタリアのトスカーナ州では、州全体でも数カ所しか無いはずです。もっと北の産地ガルダ湖あたりだったら、標高以外で最低気温の下がり方が、有機栽培に適した畑があるかも知れません。

 


 

エキストラバージンオリーブオイル、有機栽培と非有機では、どちらが良いか。
のまとめ

1.有機栽培で美味しいエキストラバージンオリーブオイルを作れる畑の条件は、かなり限られている。

2.有機栽培で安心を取るか、美味しいオリーブオイルにあたる確率が高い非有機栽培を取るかの判断になる

3.ブルーナ家の畑は、それくらい珍しく良い有機栽培オリーブ農園。
200年間ずっと有機栽培だけやっているだけのことはあります。※手前味噌でございます。

hinatano 加藤 昭広

#, #

ヒナタノ店主・加藤 昭広

おいしいもので喜んでいただくことが大好きです。おいしいものを探してイタリアへ移住。気がついたら仕事になっていました。
自他ともに認めるオリーブオイル ヲタクです。
このブログでは、おいしい話しやイタリアの職人さんたちから聞いた小ネタを紹介しています。