生産者が同じでもエキストラバージンオリーブオイルの味が変わることをご説明します。

搾りたてのオリーブオイル

同じ生産者でもエキストラバージンオリーブオイルの味は複数ある

少しエキストラバージンオリーブオイルに慣れてくると、お気に入りの生産者というのが出てくると思います。
お店でお気に入りの生産者の品を探したらた、またま売り切れ。
更に探して見たら、ラベルのデザインが少し違うけど、同じ生産者だったので買ってみた。
食べてみると味が違う。こんなご経験はありませんか?

これは偽物のオリーブオイル?あるいは傷んでいる??
大丈夫ですよ。よくあることです。理由をご案内させていただきます。

 


 

オリーブも農産物。だからエキストラバージンオリーブオイルの味も変わる

タイトル通りでしたら話は終わってしまいます。(笑)すみません。
もう少し深い話があります。詳しくご案内します。

オリーブは農産物ですから、例え同じ生産者の畑でも微妙に味が違ってきます。
土壌だったり日当たりだったり、収穫のタイミングだったりです。

オリーブオイルの保存タンク
手前にあるのがhinatanoで扱っているオリーブオイルの一時保管タンク。奥のは別の味です。

生産者は、搾油後、それぞれ味の具合によって別々のタンクでオリーブオイルを保存しておきます。それをブレンドして、それぞれのラベル用の味にして出荷します。ですので、ラベルのデザインが違うと言うことは、違う商品と言うことです。
お味噌や醤油でも、生産者が味を複数種類持っている場合がありますよね。あれと同じです。

 


 

魚に向かないはずのトスカーナ州のオリーブオイルも味を調えて使う

フラントイオやレッチーノと言った辛い品種を主材料にして作るトスカーナ州のオリーブオイル。一般的には魚介類には向きません。でもトスカーナにも海があります。海辺のレストランは、ほかの州のオリーブオイルを使うかというと、そんなことはいたしません(苦笑)
オリーブオイルは、州のアイデンティティーですので、意地でもトスカーナ州のオリーブオイルを使います。

お店がお願いして、生産者にマイルドなブレンドの品を作ってもらいます。収穫期後半の比較的熟したオリーブの実を主材料にして魚介料理用のオリーブオイルにします。

マイルドで美味しいオリーブオイル

 


 

収穫搾油のタイミングでもオリーブオイルの味は変わる

早摘みタイプのオリーブオイルと言っても、全て早摘みで収穫できるわけではありません。なにしろ地域には何万本とオリーブの木があるわけですし、例え大量に人員を動員して収穫しても、今度は搾油が間に合わない。

結果的に、辛ーい早摘みから、マイルドな完熟タイプまで色々なレパートリーの味が揃うことになります。それをバランス良く調整して出荷します。

熟しすぎたオリーブを搾るとどうなるか。重くて微妙に油っぽいオリーブオイルになります。ですから、収穫し残した品を後から搾る事は出来ません。これをやっている生産者もいるのですが、それは信頼できない生産者。ということですね。

 


 

同じ生産者でもエキストラバージンオリーブオイルの味が違う。のまとめ

1.オリーブは農産物。日当たり土壌などの条件によってオリーブオイルも味が変わる

2.オリーブオイルの生産者は、それぞれの味ごとにタンクで保管して、味を調整して出荷する。同じ生産者でもラベルが違うと味が違うのは、別の商品と言うこと

 

オリーブオイルも突き詰めると、奥が深ーい。です。

hinatano 加藤 昭広

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ヒナタノ店主・加藤 昭広

おいしいもので喜んでいただくことが大好きです。おいしいものを探してイタリアへ移住。気がついたら仕事になっていました。
自他ともに認めるオリーブオイル ヲタクです。
このブログでは、おいしい話しやイタリアの職人さんたちから聞いた小ネタを紹介しています。