オーガニックのオリーブオイルは、まずいと言われる理由

鮮度の良い良質なエキストラバージンオリーブオイルはサラサラ

オーガニックのオリーブオイルはまずい?

オーガニックのオリーブオイルはまずいと信じてる人達がいます。
それは一般の方では無くて、オーガニック栽培をしていないオリーブオイル生産者の人達です。

彼らが言うオーガニックのオリーブオイルが美味しく無い理由はシンプルで明確です。

オーガニックのオリーブオイルがまずい理由

オーガニックのオリーブオイルを懐疑的に思っているオリーブオイル生産者の人達が言う、オーガニックのオリーブオイルが美味しく無い理由は、”オリーブの実そのものが美味しく無いから” です。

オーガニック栽培ということは、農薬、殺虫剤を使えません。
つまり害虫(オリーブミバエ)が出た場合は退治の方法がありません。

オリーブミバエも美味しいオリーブの実から実から食べていきます。
つまり、虫が食べ残したオリーブの実でオリーブオイルを搾るわけですから美味しいオリーブオイルのはずが無い。
というのが、オーガニックのオリーブオイルに懐疑的なオリーブオイル生産者の考え方です。

完熟した収穫期のタジャスカ種のオリーブ

実際、私もオーガニックオリーブオイル農園をいくつか訪問したことがありますが、虫食いだらけでボコボコになったオリーブの実が、木で熟しているのを見たことがあります。

その農園は、ほぼ全てのオリーブの実が虫食いだらけでしたから、あのオリーブでオリーブオイルを搾るのだと思います。

オーガニックのオリーブオイルがまずい二つ目の理由

オーガニックのオリーブオイルがまずい二つ目の理由があります。

例え虫食いだらけでボコボコになっていても、オリーブの実が詰まっていればオリーブオイルは搾れます。
でも、虫に食われて空洞だらけのオリーブの実を搾っても美味しいオリーブオイルにはなりません。

そのためオーガニックのオリーブ生産者はオリーブを収穫した後水槽にオリーブの実を入れます。
浮いてきたオリーブの実は空洞があるので、捨ててしまいます。

エキストラバージンオリーブオイル

ただ沈んでいるオリーブの実も空洞がある場合があります。
なぜ水槽に沈んでいるかと申しますと、オリーブの実の中でオリーブミバエが死んでいるか、糞がオリーブの空洞に詰まっていると水槽に沈みます。

それらは判別の方法が無いので、結果的に一緒に搾ってオリーブオイルにすることになってしまいます。
これが、オーガニックのオリーブオイルは美味しく無いと言われている二つ目の理由です。

オーガニックのオリーブオイルは気候と地形が大事

オーガニックのオリーブオイルの生産は不可能のように思えますが、実は、一定条件を満たせばオーガニックのオリーブ生産やオリーブオイル生産が成立します。そのカギは、気候と地形です。

標高が高く良い条件の有機栽培エキストラバージンオリーブオイルの畑

オリーブの害虫オリーブミバエは一定の気温を下回ると生存できません。その温度は概ね15℃です。

オリーブの実は、夏の乾季の間はカラカラに乾いていますので、皮が固く虫がオリーブの実に入っていけません。秋の雨期に入って、オリーブの実に水分が行きだしたら皮が軟らかくなり、オリーブミバエがつきやすくなります。

このオリーブの実が熟しだしたらすぐに最低気温が15℃を下回ってしまえば良いのです。

そんな都合の良い畑があるの?と思われるかも知れませんが、あります。
標高が高い畑は、秋になるとすぐに15℃を下回ります。

ただし、こういう標高の高い畑は珍しいオリーブ畑です。

まとめ オーガニックのオリーブオイルは、まずいと言われる理由

オーガニックのオリーブオイルはまずいと言われている理由は
1.害虫が食べ残したオリーブの実を使ってオリーブオイルを搾ることになるから、良い実が使えない
2.技術的にオリーブの実と害虫を一緒に搾ってしまうこともあるので、雑味が出て美味しく無い。

これら2つの事が発生しない畑もあります。
その畑では美味しいオーガニックのオリーブオイルを作れます。

ポイントは、気候と標高です。

#

ヒナタノ店主・加藤 昭広

おいしいもので喜んでいただくことが大好きです。おいしいものを探してイタリアへ移住。気がついたら仕事になっていました。
自他ともに認めるオリーブオイル ヲタクです。
このブログでは、おいしい話しやイタリアの職人さんたちから聞いた小ネタを紹介しています。