同じ種類のオリーブでもオリーブオイルの味が何故違うのか
オリーブオイル用含めて、食用オリーブはイタリアだけでも200種類以上あると言われています。
「あると言われている」というのは、実は、はっきりした数が分からないからなのですが(笑)
オリーブは農産物ですので、味が違うのは当たり前かも知れませんが、同じ品種のオリーブをオリーブオイルにしても、味が全く違うものになってしまうこともあります。その理由をご案内します。
オリーブの種類よりも農園主の考えが影響するオリーブオイルの味の違い
オリーブの品種はたくさんあるのですが、同じ品種のオリーブをオリーブオイルにしたら、だいたい同じような味になるような気がしませんか?でも、ほぼ隣同士のオリーブ畑でもオリーブオイルにすると味が違うことがあります。
同じ種類のオリーブでオリーブオイルの味に違いが出る要因は
1.オリーブの木の樹齢
2.土壌の成分
3.木の剪定方法や肥料の与え方
4.収穫のタイミング
5.搾油の仕方、オリーブオイルの仕上げ方
1と2は自然からですが、3から5は人の手が加わります。そのオリーブ農園主の考え方で、いかようにでもできる事です。
農園主の考えとは、地域の食材をいかに美味しく食べるかという視点で共通しているのですが、細かいところで違ってきます。ちょうど日本の郷土料理とお味噌の関係のようです。お味噌や醤油は好みがありますよね。好みの理由は、ご家庭のレシピとの相性だったりしませんか
考え方が真逆な二人は、互いによく知る同じ品種のオリーブ生産者
オリーブの木の剪定の違いで分かりやすい例をひとつ
hinatanoで扱っているブルーナ家は200年続くオーガニック農園、自然派です。そのため、オリーブの木にはできるだけ自然のままにしてあげます。オリーブの木が気分良くいられるような、例えるとを床屋で散髪のような感じです。
ブルーナ家のオリーブ農園。自然がいっぱいです。
一方、ブルーナ家もよく知るヴェンチュリーノ家は、オリーブの木がいか良い仕事が出来るように環境を整えてあげるかを考えます。例えば、樹齢500年くらいのオリーブの木でも、元気がなくなったら幹を切ってしまいます。数年経つと、根が500年で幹や枝が若い元気なオリーブの気になります。
ヴェンチュリーノ家のオリーブの木、この木は根が樹齢500年で枝が10年ほどです。
両方ともオリーブの木を大事しているのですが、ヴェンチュリーノ家のオリーブの木に対する態度は、ブルーナ家から見るとオリーブの木を酷使しているように見えるみたいです。一方、ヴェンチュリーノ家の人からブルーナ家のオリーブの木を見ると、オリーブの木がもっと働きたいと言っているのに環境を整えてあげていない。ように見えるらしいです。
両方とも互いのことを「分かっておらん」と言っております。
ちなみに私は両方からオリーブオイルを仕入れています(笑)両方ともおいしいオリーブオイルです。
種類でも色々味の違うオリーブオイル、でも共通していること
オリーブオイルの味の違いは、オリーブの品種以外の要素で決まることもあります。
ただ、地域の食文化にあうように作ろうとするのは、どのオリーブオイル生産者も共通しています。
もうひとつ共通しているのは、オリーブオイルのクオリティ
エキストラバージンオリーブオイルでしたら、どこのをいただいても飲めるし、たくさん摂っても決して胃もたれなどしません。
それどころか、かければかけるほどお料理が美味しくなるのが本物の美味しいエキストラバージンオリーブオイルです。
オリーブオイルがつゆだく状態のカプレーゼ。もちろんパンですくってオリーブオイルは全部いただきます。
オリーブオイルは鮮度が良ければ、体に付きにくい(太りにくい)食用油です。
まとめ 同じ種類のオリーブでもオリーブオイルの味が違う理由
オリーブオイルの味はオリーブの品種以外でも違ってきます。
オリーブの木の樹齢や土壌などの自然からの理由もありますが、一番大きな違いはオリーブ農園主の考え方
木の剪定や肥料の与え方、搾油方法などがオリーブオイル生産者ごとに違い、それぞれの味を作っています。
ただし、違いの範囲は地域の食文化にあう。これは良いオリーブオイル生産者に共通しています。