より高級なパスタは、生麺と乾麺どちらかについて

生麺と乾麺どちらが高級なパスタ?

パスタの生麺と乾麺は、どちらが高級だと思われますか?

実は、パスタについては、生麺と乾麺を単純比較しにくいのです。

理由は、日本の蕎麦やうどんには生麺があるけど、生スパゲッティや生ペンネが無い事と同じです。

 

パスタの生麺と乾麺では高級さを比較できない

どちらかと言うと、生麺の方が高級パスタという感じがしますよね。

日本のお蕎麦やうどんの場合は、生麺が珍重されます。おそば屋さんで乾麺を茹でていたら、あれっと思います。

ところがパスタの場合、高級でも一般的なパスタでも、乾麺と生麺は全く別のもの扱い。乾麺、生麺それぞれのパスタに良さがあるので比較できないのです。

生麺の場合は、パスタに卵やサフランを練り込んで、香りや味、独特な食感を楽しみます。

そして、乾麺のパスタには、乾麺ゆえに味わえる味があります。そのために生スパゲッティや生ペンネというものは、恐らく存在しません。あったとしても、イタリアの多くの人は好まないと思います。

なぜなら乾麺パスタならではの、乾燥という大事な工程を経ていないので、美味しさが足りないのです。

サフラン入り生パスタのタリオリーニに、トリュフをスライスしたもの。生麺ゆえの優しさと、芳香な香りのコントラストが楽しく、美味しいパスタです。

これ、イタリアの田舎町の食堂でいただきました。彼ら日常的に食べているんです。羨ましい。

 

乾麺でも生麺でもパスタを茹でる時は、塩が先?沸騰が先?

パスタを茹でる時のうんちくです。

パスタを茹でるお湯を沸かすときお塩は、沸騰してから入れますか?沸騰する前に入れますか?

話し好きのイタリアの人達は、これだけで結構話が盛り上がります。

このお塩を入れる順序は、個人的には味には関係無いと思います。
・沸騰してからお塩を入れると、急激に沸点が上がり吹きこぼれる。
・沸騰する前にお塩を入れると、沸点が上がるので、沸騰するまでに時間がかかる

違いは、こんなところだと思いますよ。

 

高級パスタと言われるものだったら、生麺でも乾麺でも大事な水分

高級と言われているパスタも普通のパスタも、乾麺の大事な工程は乾燥です。
乾燥させることにより、パスタの中のデンプン質が旨みや甘味に変わります。

パスタの理想的な乾燥の温度は40℃前後です。この温度が一番デンプン質を甘みに変えます。

この条件に近い気候で、美味しく天日干しできるので、ナポリの南のグラニャーノ(Gragnano)は、乾燥パスタの名産地として有名です。

天日干しをしない場合は、乾燥室をガスなどで加熱して乾燥させます。

その場合の乾燥時間ですが、大量生産品は、どんどん生産しないとコストが見合わないので比較的高めの温度で短時間乾燥。

高級パスタと言われているのは、24時間以上じっくり時間をかけて乾燥させ、デンプン質を旨みや甘味に変えます。


スパゲッティが銅製の型から打ち出される工程です。このあとカットされて乾燥されます。

 

そして、乾燥・生パスタともに大事なのが粉の質です。その粉に、もの凄くこだわったパスタのお話しのリンクを一番下に貼らせていただきました。

そのパスタは、背の高い、古代種とも言われている小麦の粉です。70年くらい前は主流だったのですが、今では世界の流通量の3%くらいしか存在しません。もちろん有機栽培です。

さらに、品種改良もされていない、とても希少な粉を使っていて、ミシュランの星を獲得しているイタリアンシェフの人達には有名なパスタです。ご覧いただけると嬉しいです。

まとめ より高級なパスタは生麺?乾麺?

イタリアの場合、生麺と乾麺では、どちらが高級なパスタという考え方はありません。乾麺、生麺それぞれに良いところがあって比較が出来ないのです。

生麺は練り込む食材の味や香りを楽しみます。乾麺は、デンプン質が乾燥途中で旨みや甘味に変わりますので、歯ごたえと一緒にそれを楽しみます。

パスタって、美味しいですよね。

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ヒナタノ店主・加藤 昭広

おいしいもので喜んでいただくことが大好きです。おいしいものを探してイタリアへ移住。気がついたら仕事になっていました。
自他ともに認めるオリーブオイル ヲタクです。
このブログでは、おいしい話しやイタリアの職人さんたちから聞いた小ネタを紹介しています。