オーガニックのオリーブオイルについて、比較的安価な品がある事情や選び方のポイントをご案内します。

マイルドで美味しいオリーブオイル

オーガニックオリーブオイルの素朴な疑問

一般的に農産物をオーガニック生産にすると、収穫量の減少やオーガニックの認証費用などから価格は高価になります。
しかし、エキストラバージンオリーブオイル(以下オリーブオイル)の場合、オーガニックと非オーガニックの間に目に見える価格差を見つけることができません。

ただでさえ偽物が多いと言われているオリーブオイル。
オーガニックでも偽物を疑ってしまうかも知れませんが、オリーブオイル特有の事情が理由です。

 


 

オリーブオイル特有の理由からオーガニックでも値段に差が無い

オリーブオイルのオーガニック認証は、イタリアの場合しっかり執り行われております。
私の取引先も、認証費用が高いとか手続きが煩雑だとかよくぼやきます。

では、なぜオーガニック認証を得ていないオリーブオイルよりも安いくらいの品があるかですが、オリーブの実が少々虫食いしていても、収穫して搾油してしまうことがあるからです。

ブルーナ家のタジャスカオリーブの有機栽培農園
オーガニック栽培は、手間もかかります。例えば草刈り
山の傾斜面でも手作業で雑草を刈ります。

 

「標高が高い」や「周囲にオリーブの木が無い」など、害虫が発生しにくい条件を満たしたオーガニックオリーブ農園は稀ですが存在します。そういうところで採れたオリーブの実は虫食いが少ないのですが、普通に害虫(オリーブミバエ)がいる畑で、オーガニック栽培をやっている生産者もいます。

詳しくは、こちらのページにご案内しています。
小見出し三つ目あたりからが、オーガニック栽培に関してです。

 


 

適さない畑でオーガニックオリーブオイルを作る理由にも一理ありそうです。

 

そういう害虫がいる畑でオーガニックオリーブオイルを作る理由は、オーガニックは人気があるからという商業的な理由だけでは無くて、”多少味が悪くても、昔のまま自然のままの方を選択しましょう”という発想からみたいです。

EUの農薬使用基準は十分厳しいのですが、限度いっぱい農薬を使用している畑を見ると気持ちはわかります。

除草剤を多く使用しているオリーブオイル畑
有機栽培エキストラバージンオリーブオイルの畑
上の写真は農薬を使用しているオリーブ畑。下はhinatanoで扱っているブルーナ家のオーガニックオリーブ農園です。
季節は冬で畑が休んでいる時期です。違いは一目瞭然ですよね。

 


 

オーガニックのオリーブオイル。美味しいものの条件

 

とは言えども、オーガニックのオリーブオイルでも美味しいものが良いに決まっていますよね(笑)

ご案内しましたとおり、味の良し悪しは畑で決まります。そのようなオーガニック農園で作られた品の場合、輸入業者のホームページに情報が出ていると思います。それくらい条件の良いオーガニックのオリーブ農園は稀少だと思います。

あるいは、オリーブオイル専門店で探されるのが良いかも知れません。
専門店の方は、詳しく知っています。

でも、それ以上に大事なのは、輸入途中の温度や光からの管理状態。
エキストラバージンオリーブオイルは、オリーブの実の生搾りジュースです。
生鮮食品のようにイタリアから持ってくると、それは美味しいですよ。

 


 

オーガニックのオリーブオイルについてのまとめ

1.オーガニックオリーブオイルの価格が、非有機栽培のオリーブオイルと差が無いのは、多少虫食いしていても搾ってしまう場合があるからです。決して商業的な理由からだけでは無く、”多少虫食いがあっても無農薬の方が体に良い”という考え方をしている生産者もいます。

2.美味しいオーガニックのオリーブオイルは、オーガニック栽培に適した農園からだけ産すると思います。そのような畑は稀ですので、輸入者がホームページに載せていることもありますし、オリーブオイル専門店なら、そのような情報も持っています。

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ヒナタノ店主・加藤 昭広

おいしいもので喜んでいただくことが大好きです。おいしいものを探してイタリアへ移住。気がついたら仕事になっていました。
自他ともに認めるオリーブオイル ヲタクです。
このブログでは、おいしい話しやイタリアの職人さんたちから聞いた小ネタを紹介しています。