オリーブの実の種ありと種抜きの違いについて、どちらが美味しいかをご案内します。

日本では種抜きのオリーブが主流、イタリアはその逆

日本では、オリーブの実は種抜きの品の方が圧倒的に多いと思います。でも実は、イタリアは、その逆なんです。

食事の最中に、種を口から出すのは、なんとなく出しにくいですよね。

でも、イタリアの人はあまり気にしません。それに美味しさにも違いがあるから、種ありが好まれるのだと思います。

 

オリーブの種ありと種抜き、美味しいのは?

オリーブの実は、果物のようなものなんです。ですから、オリーブの実を搾ってオリーブオイルを作る事ができます。

ほぼ全てのオリーブの実は、そのままでは食べられません。食べる前に、塩水などに漬け込んで、えぐみなどを抜きます。

日本で売られている缶詰などの種抜きのオリーブの場合、穴を開けて種を抜いてからも、塩水に漬け込んであります。

でも、オリーブを果物として考えると、穴を開けて塩水に漬けたら、旨みが全部出てしまいますよね。

そうなんです。一般的に売られている種抜きオリーブの塩水漬けは、旨みが出てしまったオリーブの実を、食べることになってしまいます。

それに、種抜きの塩水漬けは、使い方にも注意が必要なんです。缶詰の塩水漬けを、開封後に塩水を切らずに置いておくと、どんどん旨みが出て行ってしまって、最後にはボソボソになってしまいます。

ですから、イタリアでは、塩水漬けのオリーブは種ありが主流です。パスタに使うときも、ピザも種ありオリーブです。

イタリアで売られている種抜きオリーブは、水分が切られていた。

日本で、イタリアの料理を勉強していた頃、オリーブは種抜き塩水漬けの缶詰でした。

プッタネスカなど、オリーブの実を使用したパスタを作る際には、漬けてある塩水を使用するのが、美味しく仕上げるコツと教えてもらったので使っていました。

イタリアに住み始めた頃、その種抜きオリーブの塩水漬けが、缶詰も瓶詰めも売られていないことに驚きました。スーパーにも小売店にもありません。

黒オリーブの種抜き瓶詰めは売られていたのですが、全部漬け汁の無いオリーブの実だけで、塩水は入っていません。不思議だったのですが、この仕事を始めてから理由が分かりました。漬け汁が無ければ、旨みは抜けていきませんものね。

 

種抜きのオリーブを美味しくいただく方法

イタリアで種抜きのオリーブとして、人気があるのは、種抜きオリーブのエキストラバージンオリーブオイル漬けです。これは塩水漬けなど、他の種抜きオリーブとは、全然別物の美味しさがあります。

この種抜きオリーブのエキストラバージンオリーブオイル漬けは、オリーブ生産者が商品として作っています。それと似た要領で、市販されている種抜き塩水漬けのオリーブの実に、手を加えると、ボソボソのオリーブをプリプリにすることができます。

エキストラバージンオリーブオイルで、1週間くらい漬け込んでみてください。食感と旨みがだいぶ戻ります。

漬け込む際に、オレガノやローズマリーなど細かく刻んで加えたら、おつまみにも使えるオリーブになります。もちろん、料理の素材としても使えます。

使用するオリーブオイルは、美味しいエキストラバージンオリーブオイルをお使い下さい。美味しさが全然違います。

それでも、やはり採れたてのオリーブを使用した、種抜きオリーブのエキストラバージンオリーブオイル漬けの美味しさは格別です。

よろしければ下の写真をクリックされてみて下さい。私の品ですが、種抜きオリーブのエキストラバージンオリーブオイル漬けです。

 

オリーブの実の種ありと種抜きの違いについてのまとめ

オリーブの実も果物のようなものなので、種を抜いて穴が空いた状態で塩水漬けにすると、旨みが出てしまいます。そのためオリーブの実の塩水漬けは、種有りの方が美味しいと思います。

イタリアでは種抜きのオリーブは、エキストラバージンオリーブオイル漬けにします。お手元にある缶詰の種抜きのオリーブを、1週間くらいエキストラバージンオリーブオイルで漬け込んで見てください。美味しくなりますよ。

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ヒナタノ店主・加藤 昭広

おいしいもので喜んでいただくことが大好きです。おいしいものを探してイタリアへ移住。気がついたら仕事になっていました。
自他ともに認めるオリーブオイル ヲタクです。
このブログでは、おいしい話しやイタリアの職人さんたちから聞いた小ネタを紹介しています。