有機栽培のオリーブ畑はどんなところ?
有機栽培のオリーブ畑というと「薬剤を使用していない畑」と言うことは想像いただけると思います。
一方、除草剤を使用している畑でも違いがあって、限りなく有機栽培に近い畑もあれば、生命の息吹を全く感じない畑もあります。詳しくご案内してまいります。
有機栽培エキストラバージンオリーブオイルの畑は、畑の手入れが大変
オリーブの木に十分栄養を与えたいので、雑草刈りは大事な仕事です。草刈りは一年中行うのでは無くて、夏の暑い盛りに下草が乾燥してから行います。
ここまで乾燥して、オリーブの木は枯れないのかご心配になるかも知れませんが、全然大丈夫なんです。
それに、乾燥していた方が、付き始めたオリーブの実は硬いままでいられるので、害虫が出だした夏の時期は、乾燥していた方が良いみたいです。
草刈りも乾燥していますので刈り易いですし、オリーブの実もまだまだ小さくて栄養が必要になるのは、もう少し後からだったりと、色々都合が良いのです。
ただ、夏の真っ盛りに全て手作業で行いますので重労働です。特にタジャスカ種のオリーブのように山の急斜面にある畑は、大変です。
右側半分は草刈り完了。
有機栽培のオリーブ畑ゆえに発生する問題
イタリアでは、オリーブの木が1本ずつ登記されているのをご存じですか?
1本ずつ所有者が決まっていて相続もされます。ただ、この制度が有機栽培のオリーブ畑に困った問題を起こさせます。
最初100本くらい持っていた人がいるとします。代々引き継がれていくうちに1,2本しか所有していない人が出てきます。
この木の所有者が、近くに住んでいたら手入れをすると思うのですが、遠方に住んでいて放置する事例が多いのです。そういうオリーブの木が、ブルーナ家の畑の近くにもたくさん点在しています。
放置されてもオリーブの木は数百年生き続けます。
ただ、雑草やトゲがある植物が絡まり大変なことになってしまうのですが、有機栽培の畑ゆえに除草剤は使えないし、草刈りも他人の所有物なので出来ない。
このようなオリーブの木が、オリーブオイルを生業としている生産者の農園に点在していることがあり、頭痛の種なんです。作業中にトゲのある雑草にひっかかると結構痛いんです。
限りなく有機栽培のオリーブオイル畑に近い畑もある
有機栽培では畑で、除草剤を使用していると言っても薬剤の使用の仕方に強弱があることは、あんまり知られてないと思います。その差は、畑に行ってみると一目瞭然。
こちらの畑は、有機栽培ではありません。先ほどご覧いただいた有機栽培オリーブ農園の前日に撮影したものです。
よく見ると雑草が生えた形跡をご覧いただけると思います。薬剤の使用は控えめの畑だと思います。
薬剤の強弱は、冬の畑に差が大きく出ます。
薬剤を使用している畑は、完全に土が露出していて、除草剤に耐性がある植物だけ生えている。一方、有機栽培農園は、下草が綺麗に残っています。
上の写真は、私が扱っているオリーブオイルの生産者、ブルーナ家のオーガニックオリーブ農園です。下草がたくさん生えています。この時期、一番下草が多くなります。下は同じ日に撮影した除草剤を多く使用していると思われるのオリーブ農園。除草剤に耐性がある植物だけ生えています。
私は、オーガニック(有機栽培)では無いオリーブオイルも扱っているのですが、農薬を強く使っている畑のオリーブオイルは、避けようと思っています。そのため仕入れを決める際には、必ず農園を歩かせていただくようにしています。
オリーブオイル有機栽培とそうでないものの違いのまとめ
1.有機栽培エキストラバージンオリーブオイルの畑は手入れが大変。このあたりも有機栽培の方が高価な理由なんです。
2.除草剤を使用している畑でも、使用に強弱があります。畑を見れば差がハッキリと分かります。