健康のためにも、完璧なコンディションのオリーブオイルをお客様へお送りしたいと思い起業して、はや8年になります。

商品延着大変申し訳ございません。
お恥ずかしながら、今週がボージョレーヌーボーの解禁日だと言うことすっかり忘れていました。
解禁日直前の週末の航空便は、毎年一番混むのです。
いま、急ぎ週内に着くよう再手配をお願いしています。

さて、こうまでして航空便に私がこだわる理由は、温度管理が確実だからです。
これまで74回の仕入のうち、2回だけ加熱処理した瓶詰めとレッチーノ種というポリフェノールが多い品種のオリーブオイルのみ15℃で管理したリーファーコンテナを使用しましたが、あとは全て航空便です。

「美味しくて体に良い、飲める鮮度抜群のオリーブオイルをお客様へお届けする」これを一番大事にしています。

では、いったい一般に流通している品と何が違うのか?

これをオリーブオイルを劣化させる要因からご案内します。

オリーブオイルを劣化させる要因は、「熱、光、酸素」です。
酸素(空気)に触れると酸化することは、明白ですので省いて。

今日は、熱について

エアコンの付いていない船便のコンテナ(ドライコンテナ)の庫内は、最高50℃以上になることがあります。
また、イタリアから日本へは直行便が無いので、シンガポールや香港の港の屋外で乗り継ぎを待つことになります。この地域は、北半球が涼しくなった11月半ばの現在でも気温は30℃前後まで上がります。

さらに、日本国内での輸送なども、夏場を中心にクール便や保冷車を使用していないと、楽々30℃を越えます。
この環境にオリーブオイルを置くとどうなるかを、オーストラリア地方産業調査開発公社とオーストラリア・オリーブ協会が行った実験研究レポートから見てみます。

グラフの見方は、
1.オリーブオイルを3つのタイプに分けて実験しています。上から味わいが、「軽い、中間、濃い辛い」と考えてみてください。
2.グラフ内の温度は、赤の点線が15℃ 黒の実線が22℃ 青い点線が37℃です

温度管理しないで輸入や国内輸送すると、かなりの確率で青い点線(37℃)程度になると思います

1.遊離脂肪酸の増加
温度が上がると遊離脂肪酸が増えます。遊離脂肪酸は、エネルギーとして使われないと、血中の中性脂肪などで体内に蓄積されます。つまり「太る」ということです。エクストラバージンオリーブオイルの基準は、0.8%です。
一番濃くて辛いタイプは、この温度でも賞味期限内は、基準を越えません。ただし、私の扱うタジャスカ種のオリーブオイルなどは、半年で基準を越えてしまいます。

温度管理していないと、エクストラバージンオリーブオイルは、こういう状態になっています。味の違いは、普通の方は分からないかも知れませんが、プロなら分かります。

温度管理していないと、エクストラバージンオリーブオイルは、こういう状態になっています。味の違いは、普通の方は分からないかも知れませんが、プロなら分かります。

2.ピロフェオフィチンaの増加
ピロフェオフィチンaは、オリーブオイルが加熱され、クロロフィル(葉緑素)が色素分解を起こすと産生される酸化物質です。ピロフェオフィチン値が低いことは、オリーブオイルの新鮮さの指標とされ、世界的に概ね、ピロフェオフィチンの上限を17%と定めています。37℃の場合、1ヶ月半で基準を越えてしまいます。ちなみにイタリアから日本へ船だと1ヶ月半かかります。

全てのタイプのオリーブオイルは、37℃で1ヶ月半置くと、エクストラバージンオリーブオイルの基準を越えています。つまり、エアコン無しのドライコンテナで、船倉の底の方などに置かない限り日本に着いた時は、既にエクストラバージンオリーブオイルの基準を越えていることになります。

全てのタイプのオリーブオイルは、37℃で1ヶ月半置くと、エクストラバージンオリーブオイルの基準を越えています。つまり、エアコン無しのドライコンテナで、船倉の底の方などに置かない限り日本に着いた時は、既にエクストラバージンオリーブオイルの基準を越えていることになります。

詳しくは、こちらの記事をご参照ください
私は、イタリアの職人さん達に、この話を聞いていましたので、8年間温度管理を大事に輸入しています。
今お客様のお手元にある、私の品の賞味期限をおっしゃっていただければ、日本への到着日や便名など輸入の行程全て分かります。

かなり、細かいと思いますが、これが私のお客様とのお約束です。
でも、実際にお話しすると「理屈っぽくない」はず(笑)ですので、お電話でのお問い合わせも承っております。

株式会社 il Bianco 加藤 昭広

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ヒナタノ店主・加藤 昭広

おいしいもので喜んでいただくことが大好きです。おいしいものを探してイタリアへ移住。気がついたら仕事になっていました。
自他ともに認めるオリーブオイル ヲタクです。
このブログでは、おいしい話しやイタリアの職人さんたちから聞いた小ネタを紹介しています。