いつもありがとうございます。
1週間に渡って、イタリアのオリーブオイルの作り手を巡ってきました。
作柄状況と、見聞きした良い話や悪い話などを。
オリーブオイルの今年の作柄状況は、訪問したリグーリア州とトスカーナ州に関しては、今のところ良いできです。両州とも、これからオリーブの実を熟させる期間で、収穫が始まる残り1ヶ月の間に気候などに問題無ければ今年は良い年になりそうです。
今年は、7,8月と猛暑がつづき気温の35℃を越える日が多く、この気温のおかげで害虫オリーブミバエの発生が抑えられています。昨年は、同時期に雨が多く降ってしまい多湿で、気温も25℃程度までした上がらず、気温・湿度とも害虫のオリーブミバエが大量発生する環境だったようです。
既に標高が高いオリーブ畑では、最低気温が害虫生存気温下限の15℃を下回っており、これらの畑では、害虫被害の発生は無いと思えます。大雨など無ければ今年は美味しいオリーブオイルが摂れると思います。
一部報道にある、オリーブの木につくウィルスに関しても、今のところ南部プーリア州のみの問題らしいです。
さて、今回は、食に関して残念な話もいくつか見聞きしました。
オリーブオイルに関しては、原産地の問題。
オリーブオイルの生産者は、大きく二つに分けると以下のようになります。
1.自社農園ないし小規模農園が何社かで集まって、自らが育てたオリーブの実を搾る業態
2.農園を持たず、オリーブオイルを外部の業者から仕入れて自社設備でブレンドするブレンダーと言われる業態
安価な量産品に関しては、2の業態場合が多いのですが、私も訪問したことのあるブレンダーが騙されて北アフリカ産などのオリーブオイルを買わされ、結果として産地表示が違う商品を販売してしまったようです。幸い私はこの会社から仕入れておりません。
「イタリア以外のオリーブオイルは悪い」とは、申しませんが、産地を偽っている段階で品質や健康面などへの不安や疑問が出るのは当然です。今はDNA検査などで産地を把握することができるはずなので、このブレンダーは、騙されたと言いつつ、もっと品質に対して真摯であるべきだったと思います。
やはり、「畑を見て、作り手を見て、働く人を見て、味や風味が変わらない輸送手段を可能な限り取る」この今の業態を続けていこうと思いました。
しかし、この方法を取る限り大量販売は難しいと思います。私の品にご興味をお持ちいただけましたら、私のWEBサイトないし卸させていただいているお客様のところでお手に取って頂けますと幸いです。
さて、オリーブオイル以外にも、これからイタリアの食に関して「良いこと悪いこと困ったこと」など、私が見聞きしたことをお客様にお伝えしたいと思います。
それがインポーターである私の仕事の一部と考えております。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
株式会社 il Bianco 加藤昭広