さて、エスプレッソの話を少々。
本来エスプレッソは、大きな機械で蒸気を使って抽出します。
最近は家庭用のエスプレッソマシーンもありますが、ご家庭での一番手軽な方法は、写真のようなマッキネッタを使うことになります。
イタリアの家庭には常備されているもので、日本の急須のようにあたりまえのもの。
こちらは私のマッキネッタ(Macchinetta)20年以上使っています。
このマッキネッタを使用してのエスプレッソは、「苦くて苦手」という話を良く聞きます。
確かにBAR(イタリアのカフェ)で入れているエスプレッソのように、すり切りまで粉を入れて、スプーンで押さえれば苦くなるでしょう。
マッキネッタはエスプレッソマシーンに比べて抽出圧力が弱いのです。
コーヒーになるまでの時間が、かかり過ぎれば苦くなります。
イタリアの人は、「すり切り押さえつけ」をしていますが、とんでもない量の砂糖を入れて飲みますから、苦さは苦にならないかと(笑)
我流(色々なイタリア人とイタリアのコーヒー焙煎職人から聞いた話を自分流に解釈)ですが、私の淹れ方をご案内します。
ご参考にしていただければ嬉しいです。
コーヒーの量は、すり切りよりやや少なめ。押さえることはしません。
私は、砂糖ミルクを使用しませんので、苦いのは飲めません。
苦みを抑えるために、少なめの量のコーヒーを、強火で一気に加熱・抽出しています。
マッキネッタの下の部分に入れる水の量は、ほぼ規定量通りです。
マッキネッタがポコポコ言って、コーヒーが出切りそうになったら、すぐに火を止めかき混ぜます。
煮立ってしまうと、香りが飛んでしまうのです。
そして、マッキネッタの中のコーヒーは、濃い部分と薄い部分があるので、かき混ぜるのが大事なのです。
使用後のマッキネッタは水洗いのみ。中の汚れは美味しいコーヒーのためのコーティングになります。
マッキネッタは「洗剤などを使用して洗わない」というのは、話を聞いたイタリア人ほぼ全員言っていました。
年季が入ったマッキネッタは、美味しいコーヒーを楽しむための大事な道具になります。
新品のマッキネッタのコーヒーは、なんだか味がバラついているんです。
ただ、マッキネッタは、しばらく使用しないと色々な所が「酸化」してしまいます。
そうなったらコーヒーを入れずに水だけで2.3回使用すればきれいに洗浄できます。
さて、イタリアの人の場合、このマッキネッタの使い方に強い拘りを持っている事があります。
コーヒーの詰め方などは、
ある友人は、「多めにコーヒーを入れて、軽く押さえて、爪楊枝で放射状に8つ穴を空ける」のが良いと言っていましたし、
ほかの友人は、「コーヒーをギュッと詰めてから、外側にスプーンの柄で2ミリ程度の隙間を作るのがコツ」とも言っておりました。
ほぼ、都市伝説ですよね(笑笑)
私の方法も都市伝説みたいなものですが(笑)、苦みは抑えられるので、ご参考になさってください。
ヒナタノ加藤昭広