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2016.07.14

オリーブオイルが熱によって劣化する ピロフェオフィチンa編

サラッとしていて美味しいオリーブオイル

熱で劣化すると同じラベルのオリーブオイルでも日本とイタリアで味が違うことも

イタリアのオリーブオイル。現地で美味しかったのと同じオリーブオイルを日本で見つけて買ってみたら「何か違う」
こんな経験お有りですか?

このような話は、ワインでよく聞かれます。味が少し違うのは、遠い国から運んでくるので致し方ないかも知れません。

でも、どういう理由で味が変わってくるか知りたくありませんか?
それにオリーブオイルの場合は、ワインと違って揺れや酸素に強いので、そのままの味で持ってくることは可能です.

 


 

オリーブオイルに熱が加わると劣化して出る酸化物

以前の記事で、熱が加わると遊離脂肪酸が増えるということをご紹介しました。
今回は、同じく熱が加わると増える「ピロフェオフィチンa」という物質です。これはオリーブオイルの緑や黄色の元になる葉緑素から出る酸化物です。そしてオリーブオイルの鮮度を測るバロメーターになっています。

出典:The Effect of Storage Conditions on Extra Virgin Olive Oil Quality 助成および実施機関:オーストラリア地方産業調査開発公社とオーストラリア・オリーブ協会

出典:The Effect of Storage Conditions on Extra Virgin Olive Oil Quality
助成および実施機関:オーストラリア地方産業調査開発公社とオーストラリア・オリーブ協会

この数値で、”鮮度が悪いオリーブオイルか”、”人工的に精製されたオリーブオイルか” 分かります。国際的な基準は17%。熱に影響されやすくて22℃に置いておけば18ヶ月基準値内ですが、37℃だと2ヶ月くらいで基準値を超えてしまいます。超えた時点で、鮮度はエクストラバージンオリーブオイルでは無くなってしまいます。

 

遊離脂肪酸は、辛み苦みの元になるポリフェノールが多い場合は、温度が上がっても増えにくかったのですが、この物質の場合は全てのタイプのオリーブオイルが、ほぼ同じような増え方をしています。上のグラフは、高ポリフェノールタイプのオリーブオイルです。青い点線(37℃)の環境に置いておくと、一気に増えてしまいます。

37℃というと、かなりの高温のように思われるかも知れませんが、イタリアから運んでくる際にエアコン付きのコンテナか、飛行機で運ばないと簡単に越えてしまう温度です。船はインド洋や中東を通りますからね。

輸送途中で、食べられないくらい熱が上がってしまうのは非常に稀です。食べられなくなるくらいになるには、もっと高温になる必要があります。でも、せっかくなら鮮度の良いエクストラバージンオリーブオイルを手にとっていただきたいので、私は飛行機を使っています。

 

この物質の味や人体に対する影響は、色々調べたのです今のところ分かりません。でも、先日の遊離脂肪酸の件と言い、こういう小さな事の積み重ねで少しずつ味がかわってくるのだと思います。

新鮮なオリーブオイル

 


 

実は、イタリアのオリーブオイル生産者は、日本への航路を知らない場合があります。

輸入する場合、オリーブオイルの輸送方法をイタリアの生産者と相談します。私も必ず助言を聞くようにしています。

意外かも知れませんが、オリーブオイルの作り手は、おおまかな日本の場所は知っていても、船で行く場合は中東やインド洋など高温地帯を通ることを知らない人がいます。私の取引先でも、日本へは北極海経由で行くと思っていた人がいました。ですから、温度管理して運ぶことをアドバイスしない人がいてもおかしくありません。

 


 

熱で劣化していないオリーブオイルを手に入れるには?

読んでくださっている方の立場で考えました。

一番良いのは、温度に意識を持っている輸入元や販売店を探すことだと思います。輸入元が温度管理を大切にしていたら、必ずホームページか商品に書いてあるはずです。お店の場合は、Web通販含めて夏場のクール便対応してくれるかどうかで温度に対する姿勢が分かります。

シンプルに”食べて良い品質のオリーブオイルかどうかを知りたい場合”は、オリーブオイルソムリエの方に相談しても良いかも知れません。

オリーブオイルは、オリーブの実のジュース

 


 

まとめ オリーブオイルが熱によって劣化する ピロフェオフィチンa編

1.オリーブオイルの鮮度のバロメーターになるピロフェオフィチンaという物質は、熱で増えてエクストラバージンオリーブオイルの国際基準を簡単に越えてしまう。

2.熱で劣化していないオリーブオイルを手に入れる方法は、温度管理に意識を持っている輸入元や販売店を探すのが一番。ホームページなどをチェックすれば、温度管理に気を遣っていれば必ず書いてあります。また夏場のクール便対応してくれるかどうかでも見て取れます。

鮮度の良いエクストラバージンオリーブオイルをぜひお試しください。

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