本物のエキストラバージンオリーブオイルの値段は、どのくらいが適当かについて

本物のエキストラバージンオリーブオイルは、100mlで1,000円以上する?

”本物のエキストラバージンオリーブオイルは、とても稀少で、一般に流通は、ほとんどしていない。”
こんな話が溢れていますが、そんなことはありません。
250mlで1,300円から1,500円くらいでしたら、本物のエキストラバージンオリーブオイルの可能性は十分あります。

マイルドで美味しいオリーブオイル

本物のエキストラバージンオリーブオイル。搾油率によって値段が倍違うことも

オリーブオイルの値段は幅が広いです。250mlで1,500円くらいから2,500円以上のものまで、この違いの一番の理由は、実の重量あたりの搾油率です。

オリーブオイルは、完熟してから収穫搾油する場合と、早摘みする場合があります。
・完熟にするのは、味をマイルドにしたいから。
・早摘みにする理由は、例え実が小さくても”辛さや苦さ”が味に欲しいからです。

早摘みの場合は、果肉が十分に熟していないので、実の重量あたりの搾油率は悪いです。ですから高価。
完熟の品は、実がたっぷり熟しているので、早摘みより搾油率も良くて早摘みに比べればお手頃

両者の差は、仕入値で倍近く違う時があります。

完熟した収穫期のタジャスカ種のオリーブ
完熟した収穫期のタジャスカ種のオリーブ

完熟タイプのオリーブオイルで、近代的な設備を持っているところの品でしたら、250mlボトルあたり販売価格1,300円から1,500円くらいの品もあり得ます。根拠は、私の相場観なのですが。これは信じていただくしか無いかな。

ただし完熟タイプのオリーブオイルは、ポリフェノールが少ないのでデリケート。
ちゃんと温度管理できていないと、日本のお店に着いたら、エキストラバージンオリーブオイルの基準を下回って、元エキストラバージンオリーブオイル。なんていうこともあってしまいます。

ですから、前回お話しした通りちゃんと温度管理できている輸入者かを聞くのが大事になります。

本物のエキストラバージンオリーブオイルは作るのが大変

オリーブの収穫期は、ものすごく忙しいです。さっさと収穫・搾油しないと、どんどんオリーブの実が熟してしまうからです。

hinatanoのオリーブオイルの収穫期は、11月から2月。熟した実を順に搾っていきます。

オリーブの収穫
撮影したのは12月。半袖なのは、それくらい重労働と言うことです。
私もやりましたが、10分で腕が、、、、(笑)

ブルーナ家のタジャスカ種オリーブの収穫期は、晩秋から冬にかけて。始業は、毎日明け方5時6時。収穫してから直ぐに搾油しないと酸度が上がってしまうので、朝暗いうちから働き始めます。お昼過ぎには工房に戻り搾油。終業は夜7時も珍しくありません。

こういう大変な仕事ぶりを目にしているから、「エキストラバージンオリーブオイルは偽物しか無い。」と言われてしまうのが残念でなりません。

エキストラバージンオリーブオイル、そのほかの費用

ほかにも、人件費のかけ方、瓶の費用、産地の物価やブランド力。
あるいは賞を取ったりすると、少々強気な価格設定になったりと、実に色々な要素で価格は、決まってきます。

それらのこと全て把握しているのが、輸入業者だと思うのです。知らないとお客様に説明できないですし。
なんと言っても人様の口に入るものですから。

搾りたてのオリーブオイル

まとめ 本物のエキストラバージンオリーブオイルの値段とは

1.250mlで1,500円くらいから2,500円以上のものまで、エキストラバージンオリーブオイルの値段は、幅が広い。その一番の理由は実の重量あたりの搾油率。早摘みタイプと完熟タイプでは、仕入値が倍近く違うこともある。

2.マイルドで完熟タイプのオリーブオイルは、早摘みのオリーブオイルに比べて安価だが、ポリフェノールが少ないためにデリケート。ちゃんと温度管理しないと、日本の売り場に着いたら、基準値を下回ったエキストラバージンオリーブオイルの可能性がある

3.全てを知っているのは輸入者(インポーター)。
知っていなければ、ならないと思うのです。食べ物ですから。

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ヒナタノ店主・加藤 昭広

おいしいもので喜んでいただくことが大好きです。おいしいものを探してイタリアへ移住。気がついたら仕事になっていました。
自他ともに認めるオリーブオイル ヲタクです。
このブログでは、おいしい話しやイタリアの職人さんたちから聞いた小ネタを紹介しています。