2016.12.06

高級パスタと量産品パスタの違いはどこにある?

オーガニックパスタ

高級パスタはなぜ高級

高級パスタと言われるパスタがあります。
一見すると量産品のパスタと箱やラッピング以外あまり変わりません。

それに、安価なパスタも時折ビックリする価格の品がありますよね。
パッケージを見ただけではなかなか分からないパスタの値段の違いの理由をご案内します。

 


 

高級パスタと量産品パスタの違い まずは原材料

高級パスタと量産品のパスタの違いになる原材料などの経費についてご案内します。
経費の中には乾燥時間なども含まれますが、乾燥に関しては別の機会にご案内します。

 

高級パスタの原材料で1番コストがかかるのが小麦粉。
パスタの原材料名で、デュラム小麦のセモリナ粉と耳にされることがあると思いますが、それは

・デュラム小麦が小麦の品種名
・セモリナ粉は粉の挽き方

になります。

 

デュラム小麦は硬くグルテンの含有量が多くて、いわゆる腰が強い強力粉です。
セモリナ粉は、挽き方のうち粗挽きという意味です。この二つの組み合わせがパスタの基本になります。

セモリナ粉は粗挽き粉なので、茹でてもお湯の表面に膜ができません。そのため多少強火で茹でてもパスタは吹きこぼれないのをご存じですか?もし、吹きこぼれたら、原材料の何かが標準的なパスタと違うのだと思います。

有機栽培パスタ

さて、高級パスタと量産品のパスタの違いに小麦粉の調達先があります。イタリア産のパスタでも使用する小麦は、かなりの比率を輸入に頼っています。量産品で安価なものは、それなりの国や地域から輸入しています。

小麦の輸出国ですが、EU アメリカ カナダ オーストラリア ロシア。このあたりはよく知られていますが、ここ5年輸出量が増えているのは、ウクライナ アルゼンチン カザフスタン トルコ インドです。

 

日本で有名なイタリアのあるパスタメーカーも、材料の小麦は、確かほぼ輸入に頼っていたはずです。しかし小麦粉の原産国表記は義務になっていないので書かれていません。

パスタについても、ぜひ食品ラベルはご確認ください。本来パスタは小麦粉と水で作るものですが、イタリア産の輸入品でも、時折添加剤が書かれていることがあります。

 


 

同じパスタでも、イタリア現地と日本で味が違った件

かなり昔の話です。
イタリアのとあるパスタメーカーのパスタを、イタリアに渡った日本人シェフの人達が持ち込んで、高級パスタとして有名になったことがありました。そして、そのパスタメーカーの販売ライセンスを日本の会社が取得したまでは良かったのですが、どうも、日本の会社経由で買うと味が違ってしまった。

 

シェフの人達がクレームを付けても、当初日本の会社は同じものだと否定をしておりましたが、色々調べて行くとやはり違っていたようです。その後改良されたみたいですが、今でも私は並行輸入品のパスタの方が美味しいと思っています。1.4mm以下の細い麺を食べ比べれば、腰の強さの差などを感じます。

 


 

高級パスタ味の違いは甘味や歯ごたえ

パスタに使用する粉は、調達先以上に、どのように生産された小麦かと言うことでも差が大きく出ます。有機栽培の小麦粉は、今やあまり特別なことではありませんが、最近注目されてきているのは、70年前の緑の革命以前の小麦です。

オーガニックのパスタとオリーブオイル

元々小麦は背が高くて肥料などをたくさん与えて実がたくさん成ると、頭が重くなって倒れてしまいました。

そこで、小麦の背を低くする品種改良が70年ほど前から始まったのですが、結果的に含まれるミネラル分などが以前より減ってしまいました。品種改良して大量生産できて良かった面もあるのですが、昔の味が失われたみたいです。

この品種改良される前で、遺伝子学的にピュアな小麦は、世界に2%程度しか流通していません。

小麦粉の質で何が変わるかと申しますと、味そのものです。甘味や歯ごたえが全然違います。
パスタの生地の味を作り出すのは、小麦粉の質と乾燥時間や乾燥温度、水など様々な要素があるのですが、その中でも粉の質が大きく左右します。

 


 

まとめ 高級パスタと量産品パスタの違い

高級パスタと量産品のパスタの違いは原材料から生じる味の違いです。
特に小麦粉の味が全然違いますので、結果的にパスタの歯ごたえや甘味に差が出ます。

塩で茹でただけのパスタに良いオリーブオイルをかけて召し上がってみてください。
それだけで最高に美味しい時間が楽しめますよ。

緑の革命以前の小麦。遺伝子学的にピュアな小麦粉で作ったパスタ。

私が扱っているパスタは、ご覧のお店でもご利用いただいています。

◆Massimo Bottura(マッシモ・ボットゥーラ)
店名:Osteria Francescana(オステリアフランチェスカーナ)
ミシュラン・ガイド2015 – 3つ星

◆Carlo Cracco(カルロ・クラッコ)
店名:Ristorante Cracco(リストランテクラッコ)
ミシュラン・ガイド2015 – 2つ星

◆Norbert Niederkofler(ノーベルト・ニーデルコフラー)
店名:St. Hubertus(セント・ハーバートゥス)※Hotel Spa Rosa Alpina内
ミシュラン・ガイド2015 – 2つ星

◆Davide Scabin(ダヴィデ・スカビン)
店名:Combal.Zero(コンバルゼロ)
ミシュラン・ガイド2015 – 2つ星

◆Andrea Berton(アンドレア・ベルトン)
店名:Ristorante Berton(リストランテベルトン)
ミシュラン・ガイド2015 – 1つ星

◆Luca Fantin(ルカ・ファンティン)
店名:BVLGARI Il Ristorante(ブルガリ イルリストランテ)
ミシュラン・ガイド2016東京 – 1つ星

2016.11.03

オリーブオイルをソースとして使う方法をご案内します

グリーンオリーブとオリーブオイル

オリーブオイルのソースイタリアの場合

実はイタリアにはオリーブオイルのソースというものが少ないのです。
唐辛子やバジルやニンニクなどをオリーブオイルに漬け込んだものが、オリーブオイルのソースと言える程度なのです。

でも、その程度しか無いのに何故イタリア料理は美味しいのか、
ここにオリーブオイルをソースとして使う秘訣かありそうなんです。

 


 

オリーブオイルのソース基本的な考え方

 

なぜイタリアにはオリーブオイルのソースが少ないかと申しますと、オリーブオイル自体の味を、産地地域の食材にあうソースとして使えるような味にしているからです。

産地の食材にそれ用のオリーブオイル。あとは、塩とハーブ、柑橘類を加えればオリーブオイルベースのソースになっちゃいます。それにあわせる具材を変えていけば、味のレパートリーは広がっていきますので飽きません。

サラダのドレッシングもオリーブオイルのソースと同じような考え方です。
以前の記事にご案内しております。
オリーブオイルは野菜との相性が抜群。ドレッシングの作り方を説明します

 

オリーブオイルと冷製パスタ

日本の日常の食卓用にオリーブオイルのソースをお考えでしたら、和食にあう食材をオリーブオイルで伸ばしたり、あわせたりしてソースとして使うのはいかがでしょうか?このような使い方をイタリアではよく行います。

あいそうな食材は、ポン酢、醤油、柚子。
ぽん酢や醤油は、そのままオリーブオイルを加えてお刺身や勝野のタタキに、柚子は皮を摺り下ろしてオリーブオイルに加えただけでソースになります。

実は、これらの食材はイタリアにも似たようなものがあります。
ポン酢はビネガー、柚子はベルガモット、お醤油は魚醤(コラトゥーラ)が存在ます。

そのほか漬け込んでオリーブオイルソースを作る場合は、
オリーブオイルに漬け込む食材として、生姜、しそ、ニンニクがあります。

いずれの場合も、基本は生使いだと思います。
加熱してしまったら遊離脂肪酸などが増えてしまい、オリーブオイルの健康に良い成分バランスが壊れてしまうからです。

鮮度の良い良質なエキストラバージンオリーブオイルはサラサラ

 


 

ソースという単語はオリーブオイル以外でも使用しています。

イタリア語でソースはSALSA(サルサ)と言います。
このサルサはオリーブオイルで伸ばしてソースにして使うペースト状のものもあります。

ジェノベーゼペーストも濃いペーストのものが多く、オリーブオイルを加えてソースとして使います。
濃いのでオリーブオイルでソースの濃度を調整できますから、パスタ以外にもカルパッチョやカプレーゼなどにも使えます。
便利ですよ。

低温加熱ジェノベーゼペースト

 


 

オリーブオイルのパスタソース

オリーブオイルのソースとして、もうひとつ考えられるのがパスタソースですよね。

オリーブオイルベースのパスタソースの代表格は、ニンニクを使用したアーリオオーリオ。
「でも、オリーブオイルの味しかしない」こんなことはありますか?

それは、ニンニクの旨みがオリーブオイルに出ていなくて、ソースになっていないからだと思いますよ。

 

キャベツのパスタ

 

アーリオオーリオはオリーブオイルのニンニクパスタソースです。
これを美味しく作るには、旨みを出さなければならないのですが、出す方法は温度変化です。

オリーブオイルをフライパンに注いで火を付ける前に、スライスやみじん切りにしたニンニクを加えます。

弱火で火を付けて、ニンニクが色づいてきたら、パスタの茹で汁を加えてみてください。
”ジュワーッ”とフライパンの中でニンニクから旨みが出てくるはずです。

オリーブオイルのパスタソース「アーリオオーリオ」のできあがりです。

 


 

まとめ オリーブオイルをソースとして食べる方法

イタリアにはオリーブオイルソースと言われそうなものはすごく少ないです。
理由は、オリーブオイルに味があって、その味は地域の食材向けになっているから、かけるだけでオリーブオイルのソースになるからです。

和食に使うオリーブオイルのソースは、和の食材をオリーブオイルで伸ばしたり漬け込んだりする方法があります。

オイルベースのパスタソース、ニンニクとオリーブオイルのソース、アーリオオーリオは、ニンニクの旨みをオリーブオイルに出してあげるのが大事です。出す方法は温度変化。ニンニクが色づいてきたらパスタの茹で汁を加えてみてください。
もし、茹で汁を加えても音がしなかったら温度が低すぎ、ニンニクが焦げてしまったら加えるタイミングが少々遅かったかも知れません。

2016.11.02

パンでオリーブオイルを美味しく食べる方法と探し方をご案内します

パンとオリーブオイル

パンとオリーブオイル、イタリアでは

オリーブオイルの召し上がり方としてパンに付けるのは日本では一般的ですよね。
実はイタリアでは、パンにオリーブオイルを付けて食べるのは、食事と言うよりおやつや間食です。
食事の席ではパンは出てきますが、オリーブオイルはお願いしないと出てきません。

でも、やはりパンとの相性が良いのはイタリアのオリーブオイルだと思います。

 


 

パンとの相性が良いオリーブオイル選び方

パンと美味しいオリーブオイルで欲しいのは、
・ちゃんと味がする
・辛すぎたり苦すぎたりしない
・お料理にもちゃんと使える

こんな感じでしょうか。
どうすれば巡り会えるか、順を追ってご案内します。

新鮮なオリーブオイル

まず、ピュアオリーブオイル、これは候補から外しましょう。味もしませんからね。
ピュアオリーブオイルは、酸度を下げるために旨みを全部取り除いてしまった食物油です。
パンに付けても美味しくないです。

でも、時折、味がしないエキストラバージンオリーブオイルもあります。
この場合は、オリーブの実が熟しすぎていて味が薄いのです。こういうオリーブオイルとパンも美味しくありませんよね。
必要以上に熟させる理由は、オリーブオイルを搾れる量が増えるからです。ですので比較的安価な品に多く見られます。

やはりオリーブオイルは、リッター換算で3,000円以上のものをお選びください。
250mlだと容量あたりの単価が上がるので、概ね1,200円以上が目安です。

以前の記事です。安いと偽物の可能性もあります。
定価で1リットル3,000円以下の品を、本物のエキストラバージンオリーブオイルとしてお勧めしない理由。

 

鮮度の良いエクストラバージンは、オリーブの実の生搾りジュース

 

辛すぎたり苦すぎたりするオリーブオイル、これもパンに合いません。

このようなオリーブオイルは、イタリアでも山の中が産地の品によく見られます。
理由は、オリーブオイルの味は産地地域の食文化と密接な関係があるからです。
猪や羊など、味にクセがあるようなお料理には、辛み苦みが臭み消しの役割も担います。

ということもございまして、パンに付けて美味しいオリーブオイルは、沿岸地域で魚介類が食文化を持っている産地の品が無難だと思います。完熟タイプでも、本物ならしっかり味がありますし鮮度良く運べば飲めるほどです。

以前の記事で通販などで買われる場合の産地の調べ方を記した記事がございます。
オリーブオイルの選び方、通販で買うときに味を知る方法についてご説明します。

 

虫食いが少ない有機栽培エキストラバージンオリーブオイルの畑の実

 

それに、私はイタリア産をおすすめしたいと思います。
イタリア食材のインポーターをやっているから、ひいき目。という訳だけではございません、、、

色々なエキストラバージンオリーブオイルを味見したことがあります。
スペイン、ギリシャ、ポルトガル、もちろん国産も。
美味しかったのですが、料理の素材として使うと何故か味がしっくりこなかったのです。

色々調べたり、考えたらご案内した「オリーブオイルの味は、お料理の味と密接な関係がある。」という結論になりました。
もしイタリア料理がお好きでしたら、きっとイタリア産のオリーブオイルの味がお気に召すと思います。

さて、強い味のオリーブオイルの産地の人達は、そのオリーブオイルでパンを食べるのかと申しますと、
間食時には食べているかもしれませんが、食事の時は食べないと思います。
彼らの食卓にとってオリーブオイルは黒子。パンは脇役です。

 


 

パンもオリーブオイルもイタリアの食卓では脇役

イタリアで食事中にオリーブオイルでパンを食べていたら、日本の食卓に例えると
「おかずがたくさんあるのに振りかけご飯を食べるようなもの」になると思います。
オリーブオイルは食材のひとつという扱いです。美味しいのですけどね(笑)

パンもしかりで、完全に脇役です。
例えば、パニーノ(サンドイッチ)を作るときに、パンの中身を抜いて具材を詰めることもあります。
パンもオリーブオイルも、お料理を美味しくいただくための脇役という考え方です。

ミラノのパニーノ

イタリア北部、トスカーナ州、ウンブリア州、マルケ州ののパンには伝統的に塩が入っていません。
中世に塩の税金が上がった時に、対抗策として塩を使わなくしたという説があります。
このあたりのオリーブオイルは、辛み苦みが強いタイプの物が多いです。

 


 

オリーブオイルとパンの美味しい食べ方

先ほど、食事中にパンでオリーブオイルをすくって食べることはありませんとご案内しました。
でも、限りなくそれに近いシンプルな調理法で食べる場合はあります。

トスカーナの伝統的なパン

パンを1cmちょっとの厚さにスライスして、カリカリに焼いてからニンニクを擦りつけてオリーブオイルをたっぷり。
これにトマトの切ったものや、レバーペーストをのせるとブルスケッタというお料理になります。

このお料理は、塩抜き3州のパンで作ると美味しいのです。
多少、辛み苦みが強いストロングタイプでも美味しくいただけます。

 


 

まとめ パンとオリーブオイルの相性

1.パンに合うオリーブオイルは、なんと言ってもエキストラバージンオリーブオイル。
ちゃんと美味しくて、辛み苦みが強すぎないオリーブオイルは、産地が沿岸地域で魚介類が食文化の中心のオリーブオイル。パンとの相性も当然良いです。

2.オリーブオイルの味は、産地の食文化と密接に関係しています。辛み苦みが強いストロングタイプは、肉食文化が中心の産地のオリーブオイル。マイルドで食べやすいオリーブオイルは、沿岸地域で魚介類が食文化の中心が産地です。こちらの方がパンとの相性も良いと思います。

3.オリーブオイルの味は、お料理の味の基になります。
もし、イタリア料理がお好きでしたら、イタリア産のオリーブオイルをどうぞお選びください。

 

2016.10.15

本物のエキストラバージンオリーブオイルだとお料理がどのように美味しいか。

オリーブオイル

本物のオリーブオイルを使うから、イタリアの家庭料理は美味しい

イタリアまで行って勉強したくせに、料理人を諦めた私がお料理について語るのはおこがましいのですが、
イタリアの家庭料理や田舎のお料理は、とにかく美味しいです。いやになるくらい(笑)

私が住んでいた17年前も日本人の料理人の人が沢山勉強に来ていました。
”本場だからこその何か”を学びに来ている方が多かった記憶があります。

でも技術は日本の人の方が遙かに上手。なんで美味しいかと悩んでいる方がたくさんいました。
結果、食材の違いと理解して帰国される方が多かったのですが

 


 

本物のオリーブオイルだから、こんなお料理にも

確かにイタリアの野菜と日本の野菜では、同じ人参や玉ねぎでも味が違いました。
でも、それ以上に違って感じたのは、オリーブオイルやワインなど以前から日本で手に入っていたものです。

ワインに関しては、移動などで劣化してしまうのはある程度は理解できたのですが、分からなかったのがオリーブオイルです。日本のものとイタリアのでは、明らかな違いがありました。でも、問屋に勤めている時にオリーブオイルの輸入業者からは、ワインと違い管理に気を使わなくて良いと聞いていましたから、味が変わる理由が分からなかったのです。

苦いオリーブオイルも使い方次第

当時から日本には色々なオリーブオイルが輸入されていましたが、一番の違いは、いくら飲んでも油っぽく無く、胃もたれや胸焼けが全然しないことです。

違いの理由は、鮮度でした。
オリーブオイルは、オリーブの実の生搾りジュース。
ワインほどではありませんが、温度管理が必要だとオリーブオイル職人の人達に教えてもらいました。

温度管理しなくても、食べられなくなるくらいに劣化するのは、稀なのですが
やはり違いを感じます。

 

飲めるくらいですから、お料理に大量に使っても全然平気です。

例えば、野菜をグリルしてオイル漬けにするSotto olioという総菜料理があるのですが、これをイタリアの現地のエキストラバージンオリーブオイルで作ると、オイルだということを忘れてしまうくらいです。エキストラバージンオリーブオイルは、オリーブの実の生搾りジュースですから、本当はこういうものです。

でも、日本で同じお料理を見かけますが、時折重たい味になってしまっているものに出会うことがあります。
ちらり見える厨房には透明なペットボトルのオリーブオイル。。。
本物のオリーブオイルを使えばもっともっと美味しいと思うのですけど。

 


 

本物だけど微妙に違う冷凍モッツアレッラ

モッツァレラチーズはお好きですか?
モッツァレラは、生チーズ。豆腐みたいなものだと私は思います。当然鮮度と味は関係してきます。

カプレーゼ南イタリア、オリーブオイルがお皿に溜まっています(笑)
私が勤めていたフィレンツェのピッツェリアでは、わざわざナポリからモッツァレラを取り寄せていました。
ほかの食材に関しては、かなりの倹約していたのですが、モッツァレラとミニトマト、オレガノだけは贅沢していました。

賞味期限は数日ですから、日本で同じ味を味わうには空輸で取り寄せることになります。

でも実は、冷凍モッツアレッラというものがあります。
この冷凍品なら、飛行機を使わずに運べますので、かなり安価になります。
それでお味はというと、やはり少し違います。

違いは、ピザに使って焼いた時に分かります。
冷凍のモッツァレラは、ピザを持ち上げたときに滑って落ちてしまいます。
フレッシュの場合は、そのような事にはなりません。ピザに粘り強く残っています。

 


 

本物のオリーブオイルを現地と同じ味で

モッツァレラと同じように、エキストラバージンオリーブオイルも生鮮食品だと思います。
理由は、温度などの管理をしていあげないと傷んでしまうからです。
ですから、現地と同じ味で味わうには出来るだけ産直に近い買い方が良いと思っています。

直接買い付けて、移動時間で鮮度がロスしないように飛行機で運んで、適温の環境で管理して
できるだけ鮮度の良い状態で使い切る(売り切る)そして、また次のを買う。

この方法で美味しいものをお届けしようと2007年に私は創業しました。

 


 

本物のエキストラバージンオリーブオイルを使うイタリアの家庭料理のまとめ

本物のエキストラバージンオリーブオイルで鮮度の良いものは飲めるくらいです。
飲めるくらいなので、たっぷり使っても全然油っぽくありませんし美味しさが増します。

現地と同じ味をお試しになられたいのなら、できるだけ産直に近い業態のところから買われることをお勧めします。
私以外にも最近は、直接仕入れて空輸している輸入業者さんがいらっしゃいます。

 

hinatano 加藤 昭広

2016.10.11

本物のエキストラバージンオリーブオイルをイタリアでどうやって探すかご案内です

サラッとしていて美味しいオリーブオイル

本物オリーブオイルの探し方

本物のエキストラバージンオリーブオイル(以下オリーブオイル)探しで大事な事は、偽物オリーブオイルとの違いを見極める目利きになりますが、同じように大事なのが本物のオリーブオイル職人さんと出会うことです。

イタリア語でFrubo(フルボ)という単語があります。直訳すると”ずる賢いこと”
一見ネガティブな表現のようですが、地域差はあると言え、実はイタリアではポジティブなことです。

偽物オリーブオイルに騙されるわけにはいきませんので、本物のオリーブオイル職人捜しが大事になります。
どこをどうやって見極めているか。のご案内です。

本物のオリーブオイル探しは、本物の職人探し

私の品はhinatanoのオリーブオイル含めて町中で見つけたものが多いのですがイタリアの雑誌やWebでも探します

その雑誌やWebなどで見かけるオリーブオイル生産者の話。偽物とは無縁そうですが、産地偽装くらいのことはあり得ます。美味しくて本物のオリーブオイルを作っている人かを誌面や画面だで見極めるのは、難しいです。

あるいは、時折「~博で受賞しました。」というメールをイタリアからもらうのですが、ここも食品博で受賞したからと言っても、受賞した品と実際に送ってくる品と違うかも知れないです。ですから、私は、気になった品があると、どんなに不便なところでも会いに行くようにしています。

鮮度の良い良質なエキストラバージンオリーブオイルはサラサラ

行ってみると、色々見えるものがあります。オリーブオイルの偽物本物の違いを見極める重要なポイントになります。

オリーブ畑や工房の整理整頓や手入れ具合、地元での評判、働いている人達の様子。特に3番目は大事です。簡単に言うと、働いている人含めて、色々な人にとって良い農園(会社)かということですが、すごく大事です。畑については、収穫期に収穫漏れの実が木に残っていないかも見たりします。ここも大事なポイントです。

虫食いが少ない有機栽培エキストラバージンオリーブオイルの畑の実

そのほか、生産物を見て変に商業的な品は無いか。地域の食文化とかけ離れている品を作ってい無いか会社自体の生い立ち等々、本物を作り続けてくれる根拠を積み上げて仕入を決めています。

なんだか粗探しをしているようですが。粗探しの部分もたくさんあります(笑)。でもこれがお客様の替わりに良い生産者をイタリアで探す私の仕事だと思っています。私の品は食べ物ですから。

本物のオリーブオイル職人に共通していること

愛想がいい人、悪い人、よく話す人、無口な人など色々な人がいますが、本物のオリーブオイル職人さんに共通しているのは頑固さだと思います。日本の職人さんとそっくりですよ。

オリーブオイル職人ヴィンセンツォさんと私2

オリーブオイルを作る現場に出て汗をかいているので、現場のことがよく分かっています。ブルーナ家以外にも、アルプスの山の中のパスタ職人に、ローマ貴族末裔のご婦人。みな同じです。何千本オリーブの木があっても、全て違いや状態を把握していたりします。

本物のオリーブオイルを見つけたら、あとは鮮度良く運ぶだけ

ブルーナの有機栽培オリーブオイル

本物のオリーブオイルを作る職人さんを見つけたら、あとは大事に運んで、できるだけ良いコンディションでお客様にお渡しするのが私の仕事です。運び方の違いで傷んでしまったら品質的には偽物オリーブオイルになってしまいます。特にイタリアからの輸送は長距離になりますので航空便にこだわります。そして直接納品にこだわっています。

本物のエキストラバージンオリーブオイルを目利きするのまとめ

美味しいオリーブオイルや食材を見つけたら、生産元を訪問して色々安心できる理由を、本物のオリーブオイルだと確信できる理由を積み上げていきます。

これまで訪問したことのあるオリーブオイル生産者で、取引に至らなかったオリーブオイルの会社が、偽物オリーブオイル(産地偽装)をやっていたという話を聞いたことがあります。そこには本当の意味でのオリーブオイル職人さんはいませんでした。ですから取引をしませんでした。

2016.10.03

オリーブの実の種ありと種抜きの違いについて、どちらが美味しいかをご案内します。

ブルーナ家のオリーブの実の塩水漬け

日本では種抜きのオリーブが主流、イタリアはその逆です。

日本では、オリーブの実は種抜きの品の方が圧倒的に多いと思います。
でも実は、イタリアはその逆です。

食事の際、種を口から出すのは日本では避けたい方が多いと思いますが、イタリア人はあまり気にしません。
それに美味しさにも違いがあると思います。

 


 

オリーブの種ありと種抜き、美味しいのは?

オリーブの実は、果物のようなもの。
ですから搾ってオリーブオイルを作る事ができます。

鮮度の良い良質なエキストラバージンオリーブオイルはサラサラ

果物だとした場合、穴を開けて塩水に漬けたら旨みが全部出てしまいますよね。
そうなんです。一般的に売られている種抜きオリーブの塩水漬けは、旨みが出てしまったオリーブの実を食べることになってしまいます。加えて、種抜きの塩水漬けは、使い方にも注意が必要です。缶詰の塩水漬けを開封後に塩水を切らずに置いておくと、どんどんボソボソになっていきます。

オリーブの実の塩水漬け

ですからイタリアでは当然、塩水漬けのオリーブは種ありです。
パスタに使うときもピザも全部種ありです。

 


 

イタリアで売られている種抜きオリーブは、水分が切られていた。

日本でイタリアの料理を勉強していた頃、オリーブは種抜き塩水漬けの缶詰でした。
プッタネスカなど、オリーブの実を使用したパスタを作る際には、漬けてある塩水を使用するのが美味しく仕上げるコツと教えてもらったので使っていました。

イタリアに住み始めた頃、種抜きの塩水漬けが全然売っていないのに驚きました。
黒オリーブの種抜き瓶詰めは売っていたのですが、全部オリーブの実だけで、塩水は入っていません。不思議だったのですが、この仕事を始めてから理由が分かりました。

 


 

種抜きのオリーブを美味しくいただく方法

イタリアで種抜きのオリーブと言えば、エキストラバージンオリーブオイル漬けになります。
これは同じ種抜きオリーブでも、全然別物の美味しさです。

オリーブの実のエキストラバージンオリーブオイル漬け

このエキストラバージンオリーブオイル漬けを作るのと似た要領で、種抜き塩水漬けのオリーブの実に手を加えると、ボソボソのオリーブをプリプリにすることができます。

エキストラバージンオリーブオイルで1週間くらい漬け込んでみてください。食感と旨みがだいぶ戻ります。
漬け込む際に、オレガノやローズマリーなど細かく刻んで加えたら、おつまみにも使えるオリーブになります。
もちろん、料理の素材としても使えます。

 


 

オリーブの実の種ありと種抜きの違いについてのまとめ

オリーブの実も果物のようなものなので、種を抜いて穴が空いた状態で塩水漬けにすると旨みが出てしまう。そのため塩水漬けは種有りの方が美味しいと思います。

イタリアでは種抜きのオリーブは、エキストラバージンオリーブオイル漬けにします。お手元にある缶詰の種抜きのオリーブを1週間くらいエキストラバージンオリーブオイルで漬け込んで見てください。美味しくなりますよ。

実は、ブルーナのところにも種抜きオリーブのエキストラバージンオリーブオイル漬けがあるのですが、たまに種が残っているので扱っておりません。ものすごく美味しいのですが、、(苦笑)
hinatano 加藤 昭広

2016.09.25

「オリーブオイルとバターの境界線が、イタリアの伝統的なレシピに見られる」と言ううんちくをご案内。

追いオリーブオイル

オリーブオイルとバター、イタリアで使う地域が分かれている

エキストラバージンオリーブオイル(以下オリーブオイル)は、イタリア全土で使われていそうですが、各地方の歴史を調べると実はそうでも無さそうなことがわかります。本日は雑学&うんちくのご案内です。

 


 

バターは、オリーブオイル中心の南イタリアの人から見ると得体の知れないもの

バター含め乳製品は、南イタリアの人からすると歴史的には馴染みの無いもののようです。
今でも南イタリアのお年寄りは、バターを”気持ち悪いもの”と言います。私の知人で北イタリア出身と南イタリア出身のご夫婦がいたのですが、北イタリア出身の奥様が作られるトマトソースに、生クリームが入っていることを知った南出身のご主人が激怒して大げんかになったこともありました。

鮮度の良い良質なエキストラバージンオリーブオイルはサラサラ

でも、南北関係無くお料理を作るには油脂分が必要ですよね。
オリーブオイルとバターの境界線は、どうやらフィレンツェとボローニャの間にありそうです。

 


 

オリーブオイルとバターの境界線、フィレンツェとボローニャの間にありそうな理由

パスタのミートソース、ボロネーゼが有名なボローニャとフィレンツェの移動時間は、今でこそ電車で40分。
でも、この2つの町の間には山脈があって、ムッソリーニがトンネルを通すまでは、ぐるっと海側を迂回することになっていたので半日かかったようです。

この直線距離でわずか100kmしか無い両方の町の、もうひとつの大きな違いがパスタのレシピです。

 


 

オリーブオイルとバターの境界線に沿って伝わったサフラン

ボローニャの手打ちパスタにはサフランが入っています。
一方、フィレンツェ周辺トスカーナ地方の庶民が食べるパスタの伝統的なレシピには、サフランが入っていません。

サフランは、中世に修道士の収入源として中部イタリアのラクイラで栽培されていました。
ラクイラから平地を辿って、当時裕福な地域だった北に行くと、ペスカーラを経由してアンコーナ、リミニとつづきボローニャに至ります。これらの町には伝統的にサフラン入りパスタのレシピが存在します。

ペスカーラのサフラン入りキタッラ
ペスカーラのよく行くお店で必ずいただくサフラン入りパスタのキタッラ。お願いするとホールのサフランをその場で振りかけてくれます。

ラクイラからの直線距離は、ボローニャよりもフィレンツェの方が近いのですが、行くには大きな山脈があって昔は越えるのが大変だったらしいです。

 


 

オリーブオイルとバターとイタリアのお料理のまとめ

イタリアの歴史は、ものすごく面白いです。

イタリア料理を学ぶために渡伊する前、衣食住を理解するために勉強したのですが、意外に役に立ちます。食の生産者を訪問する時に、多少知っていることを話すと会話が弾みますし、生産者の作るものを見て”この地方でこれを作っているのはおかしい”ということも気づけます。

うんちくでございました。hinatano 加藤 昭広

2016.09.21

イタリアの現地で食べるお料理が美味しいのは、オリーブオイルの鮮度の違いだと思うことをご案内します。

オリーブオイルの鮮度が違うイタリアと日本

イタリアの素朴な日々の食事のお話しです。
パスタにしても、サラダにしてもイタリア人達が日常食べているのは、ものすごくシンプルだけど、なぜか美味しい。
日本でもイタリア産の食材は手に入るのですが、何かが違う。その違いは何から生まれるのかずっと考えていました。

トマトとオリーブオイルだけのパスタ

 


 

日本とイタリアのオリーブオイル。鮮度が違うと何が変わる

日本には、実に多くのエキストラバージンオリーブオイル(以下オリーブオイル)が入ってきています。
驚かれるかも知れませんが、オリーブオイルの品揃えは、ミラノやローマなど大都市の高級食材店よりも、日本で催される百貨店のイタリア展の方が多いです。

それら日本で売られている品々は、すごく美味しいのですが、イタリアと食べるときと、ほんの少しの違いがあります。
それは鮮度。

オリーブオイルはオリーブの実の生搾りジュース。鮮度が良ければ、何杯でも飲めるくらいです。
マイルドやストロング、色々なタイプがありますが、鮮度が良ければどれもとても軽くて香りが良い。そして味もしっかり。

オリーブオイルがたっぷり入ったトマトソース
液体の部分にオリーブオイルの層ができているのをご覧になれますか?
ここまで入っていても、全然油っぽくありません。

例えば、私が扱っているトマトソースがあるのですが、材料はトマト、ハーブ、塩にオリーブオイルだけ。
オリーブオイルがたくさん入っているので、まるでミートソースのように濃いのですが、全然油っぽく無いのです。
このトマトソースは、hinatanoのオリーブオイルと一緒に空輸で輸入して定温庫で管理しています。

 


 

鮮度の良いオリーブオイルなら、お料理を美味しくするのは簡単

焦げちゃって苦みが出たものはさすがにムリですが、少し味が足りないお料理とか、
安くてパサパサな生ハムなどに、オリーブオイルをたっぷりかければ、美味しくいただけます。

そう、たっぷりかけられる事が大事です。
鮮度が悪くて、油っぽくなったオリーブオイルを、たっぷりかけたら油っぽかったり、しつこい味になってしまいます。

 


 

オリーブオイルの鮮度が良いと、味以外にもたくさん良いことがある

オリーブオイルの鮮度が良いと、美味しさのほかにも沢山良いことがあります。

鮮度が良いと
1.遊離脂肪酸の酸度(酸価)が少ないので、体につく脂肪分が少ない
2.辛み苦みで味として表れる抗酸化物質がたっぷり残っているので、体にも良い
3.主成分のオレイン酸は、劣化していなければ体につきにくい。腸で吸収されにくいのでお通じにも良い
4.なにはともあれ、とくかく美味しい

イタリアの田舎料理はとにかく美味しい。
その美味しさの中心には、鮮度の良いエキストラバージンオリーブオイルが常にあると思うのです。

 


 

イタリアの食事が美味しいのは、オリーブオイルの鮮度が良いからのまとめ

鮮度が良いオリーブオイルは、美味しくて油っぽく無い。だから沢山使える。
沢山使えるから、コクのある美味しいお料理になる。

イタリアの日常食にとって、オリーブオイルは出汁や味噌のように感じることがあります。
hinatano 加藤 昭広

2016.09.10

瓶詰めされたオリーブオイル漬けについて、開封後の保存方法をご案内します。

アンチョビのエキストラバージンオリーブオイル漬け

オリーブオイル漬けは、開封後の保存は冷蔵庫?

エキストラバージンオリーブオイル(以下オリーブオイル)は、冷蔵庫で保存しない方が良いことを以前ご案内しました。

では、オリーブオイル漬けの瓶詰めは、開封後冷蔵庫に入れない方が良いのか???
この件は、創業時悩みました。生産者によっては開封後も常温でOKと言っていた人がいましたし、確かにイタリアでは開封後常温に置いておいたこともあったからです。

いろいろ試したり調べたりしたので、よろしければご参考になさって下さい。

 


 

オリーブオイル漬けの保存は、日伊で違いがあります。

生産者の中には”オリーブオイル漬けの瓶詰めは開封後も冷蔵庫に入れる必要が無い”という人もいます。
アンチョビなど海産物で腐りやすいのは冷蔵庫が必須ですが、野菜系の瓶詰めは必要無いと言います。
確かにオリーブオイル漬けは、オリーブオイルで空気から遮断する保存食ですから理にかなっているのですが、
でも本当に良いのかと疑問に思いました。

オリーブの実のエキストラバージンオリーブオイル漬け

そこで実際にいくつかの商品で試してみたのですが、やはり開封してから常温に置いておくとカビる事がありました。

エキストラバージンオリーブオイルの保存には、冷蔵庫使用しない方が良いのですが、瓶詰めについては、日本の場合は開封後冷蔵庫に入れた方が良いみたいです。

イタリアで、開封後常温に置いておいてもカビないのは、湿度の違いのようです。

 


 

もの凄く乾燥しているイタリア。パンはカビる前に石になる(笑)

イタリアはもの凄く乾燥しています。カビを見るのは稀でした。

パンなどは、夏場は買ってから1,2日放置しただけで、カビる前に石のように硬くなります。
包丁でも切れないくらいに(笑)

そのため、保存は湿気取り用に紙袋に入れてからビニール袋に入れるのが必須でした。
ビニール袋だけで常温に置いておくと、さすがにカビました。

 


 

オリーブオイル漬けの保存。開封前でも気をつけたいこと

開封前は、常温での保存で問題無いのですが、できるだけ美味しくいただくためには基本は冷暗所だと思います。
瓶詰めは遮光ボトルになっていませんから、光の影響を目一杯受けてしまいますし、温度もあまり高温になると段々風味が悪くなります。

オリーブオイルが劣化する条件と内容をご案内した記事です。ご参考になれば幸いです。

オリーブオイルが熱によって劣化する内容をご説明します。遊離脂肪酸編

オリーブオイルが熱によって劣化する内容をご説明します。ピロフェオフィチンa編

光がエキストラバージンオリーブオイルをどのように劣化させるかご説明します。

ドライトマトのエキストラバージンオリーブオイル漬け

「温度が上がると風味が悪くなると言うけど、瓶詰めは加熱処理しているのでは?」
と思われるかも知れませんが、生産者によっては漬けてあるオリーブオイルが悪くならないギリギリの低温殺菌加熱で作っているところもあります。瓶詰めの過熱方法については、後日あらためて。

 


 

オリーブオイル漬けの開封後の保存方法についてのまとめ

1.イタリアでは開封後常温で保存できる瓶詰めも、日本では冷蔵庫に入れた方が良いと思います。
湿度の違いからカビる事があります。

2.開封前でも保存は冷暗所が良いと思います。特に光にはご注意。透明なボトルは光でオリーブオイルを劣化させます。

 

ご参考になれば幸いです。
hinatano 加藤 昭広

2016.09.04

イタリア料理をオリーブオイルで本場の味に作る方法

イタリアの田舎の食堂で食べるパスタ

オリーブオイルで簡単な本物のイタリア料理

本物のエキストラバージンオリーブオイル(以下オリーブオイル)が主役の本場のイタリア料理。とても特別なお料理のように思えますが、本物のオリーブオイルを心ゆくまで楽しめる一皿は驚くほど簡単なお料理です。

イタリアでは、高級レストランよりも田舎の食堂で出会うことが多いこのようなお料理、実は日本のご家庭のお料理でも再現することができます。必要なのは、本物のオリーブオイルとちょっとしたコツです。

イタリア料理でオリーブオイルと使う食材の組み合わせ

イタリアを巡って一番感動するのは、このような本物のオリーブオイルを思いっきり味わえるお料理と田舎の食堂で出会った時です。それらは、一見するとシンプルで盛りつけも質素なお料理。高級レストランのイタリア料理とは全く別物です。多くの日本人も美味しいと感動するそれらのお料理は、シンプルなお料理ですが、個性は実に豊か。地方ごとに変わる食材によってオリーブオイルの味も違う。これがオリーブオイル好きの方にはたまらないし、実に面白い。簡単なお料理とあわさることで奥の深い味になる。これが本物のオリーブオイルです。

さて、このようなオリーブオイルが美味しい本物のお料理がご家庭で簡単に作れます。理由の一つにイタリアで使われている食材と日本で目にする食材が、かなり近い事が挙げられます。

例えば、お野菜は日本でも馴染みのある食材がたくさん。茄子、パプリカ(イタリア語ではぺぺローネ)、トマト、カリフラワーにブロッコリー、日本との違いと言えば、お野菜自体の大きさとキャベツの葉の硬さくらい。

イタリアのカリフラワーは巨大

あえて違いを探すとすれば、人参や玉ねぎなどの基本野菜の味が強いこと、特にセロリは素晴らしい味の強さがあります。ほかにもアーティチョークや黒キャベツなど日本で馴染みの無い食材があるにはありますが、でも違いと言ったらこれくらいですし、これ以外の食材で十分美味しいお料理が作れます。

そして魚介類とお肉類。魚介類は日本のでも馴染みのあるアサリなどの貝類のほか、カジキマグロなどは非常に一般的な食材。鯛などの白身魚やサバなどの青魚もよく使われます。お肉についてはお肉の切り方が違いますが、基本的に同じものが手に入ります。

このように、日本でもイタリアで使っている食材のかなりの種類が手に入ります。

それでもイタリアの田舎の食堂の簡単なイタリア料理と、日本のイタリア料理は何かが違うと言われます。簡単なお料理ほど差がはっきり感じられ、その違いを理解するのに多くの修行に来た日本の人達が驚いて悩む姿を見てきました。

生鮮食品に日伊に大きな差が無いとすれば、あとは、水・塩・オリーブオイルのどれかに大きな違いがあるはずです。塩は日本でもイタリア産のが手に入りますし、水は水を使用しないお料理にも差を感じるわけですから、水でも無いでしょう。これらの事から、私はオリーブオイルの使い方に大きな違いがあると思います。

日本でも同じような食材が手に入るにもかかわらず本物のイタリア料理になりきれないのは、オリーブオイル自体と使い方の差だと思います。その差は簡単なお料理ほどはっきり出ます。

高級なオリーブオイルを使用すれば美味しいというわけではありません。実際にイタリアの田舎の食堂では地元産の普通のオリーブオイルを使用しています。キーワードはオリーブオイルの使い分けと鮮度です。

日本で手に入りにくい本物のイタリアの食材とは?

日本で手に入りにくいイタリア食材もあります。
例えば、加工肉類は、生のソーセージやサラミなど日本に輸入しにくい、※実はこれが素晴らしく美味しい!

一見生肉のように見えますが、トスカーナ州シエナ周辺のサラミです。これを唐辛子入りのペコリーノチーズとサンドイッチ。絶品です。ただし、このサラミは日本に輸入できないと思います。

一見生肉のように見えますが、トスカーナ州シエナ周辺のサラミです。これを唐辛子入りのペコリーノチーズとサンドイッチ。絶品です。ただし、このサラミは日本に輸入できないと思います。

加工肉類も含めて、日本に輸入されない大きな理由は法律の問題です。意外かも知れませんが、1990年代まで日本に生ハムは輸入できませんでした。理由は、生ハムで行われる塩漬けに、殺菌効果があると法的に認められていなかったからです。ハマハムの輸入が解禁になったときは、テレビや新聞でニュースになったほどです。

チーズ類に関しては、価格の違いはありつつも、ほぼ同じものが手には入ります。
でも価格以上に違いがあるのは味。ゴルゴンゾーラなどは現地のものと味が違います。

オリーブオイルを使い分ければ簡単に本物のお料理

オリーブオイルの簡単な使い分けで本物のイタリア料理になる。「目から鱗のような考え方だった」というご感想をお客様からいただくことがあります。”どれだけ生鮮食材に拘っても、どれだけ美味しいと言われるレシピを真似しても、どうしてもイタリア現地で味わうお料理になれなかったのに、オリーブオイルの鮮度に拘って簡単な使い分けをしたら、お料理が完全にイタリア現地と同じになった。”少々大げさなようですが、本当にいただいたご感想です。

このようにお料理の大事な黒子役のオリーブオイル。本物のオリーブオイルには味が色々あるのを聞かれた事がありますか?それに、オリーブオイルが「辛い!」「苦い!」という話も聞かれたこともおありですか?

そもそも、オリーブオイルの味を変える必要があるのか疑問ですよね。
シンプルに「美味しいオリーブオイル」を作ってくれれば買うときも買いやすいから良いのに。色々な味のオリーブオイルがあるせいで買ってから後悔することもあるし。こう思われるかも知れません。

オリーブオイルのティスティング

オリーブオイルに馴染みの無い方は、それにオリーブオイルの味を変えるって何か混ぜ物をするように感じるかも知れませんが、オリーブオイルの味は、お料理の必然性から産地ごとや生産者ごと微妙に違います。

本物のオリーブオイルを、それ自体”美味しい食べ物”ものと考えると、オリーブオイルの味を変えるのは不思議かも知れませんが、オリーブオイルは、お料理の味を決める”大事な調味料”という側面もあります。

具体的に考えてみましょう。食材を焼いただけで塩とオリーブオイルだけ食べる簡単なお料理を2種類想像してみてください。鯛などの白身魚のグリルと、クセのある猪肉のグリルです。

これらに使用されている食材は、イタリアでは古くから食されています。伝統的な調味料は、塩・ハーブ類・オリーブオイルのみです。猪肉は多少クセがあります。臭味消しにはコショウがよく使われますが、大昔コショウはイタリアにとって大事な輸出品でしたから自分たちでは使いません。

コショウ以外に手に入る伝統的な調味料で、白身魚のグリルとクセのある猪肉のグリルで使い分けできるのがハーブとオリーブオイルです。特にソースや調味料・出汁の役目をするオリーブオイルの味を強くしたり、マイルドにしたりと味を変えて食材にあわせてきました。

猪肉のグリルには、辛く強い味のオリーブオイルとハーブで味付けします。白身魚のグリルには、ハーブとマイルドで白身魚の味にあうオリーブオイルを使います。また、白身魚を食べる地域は魚介類のカルパッチョも食べますので、カルパッチョにもあうようなマイルドなオリーブオイルが好まれます。

本物の伝統的イタリア料理のレシピにコショウが無い理由

イタリアでは古代ローマ時代からコショウは食されていました。しかし決して一般的な食材では無く王侯貴族の食べ物だったようです。そのため家庭料理が発祥のレシピが多いイタリア料理にはあまり使われていないと思います。

また中世ヨーロッパに於いては、イタリアにとってコショウは外国から輸入して、臭味の強い塩漬け肉を食していたフランスなどに売る大事な商品でした。

コショウ貿易は、13世紀頃からヨーロッパのコショウ貿易はベネチアが独占。その後、ルネッサンス期はフィレンツェの名家メディチ家が引き継ぎます。北イタリアのラ・スペツィアという港町があります。( La Spezia)メディチ家がコショウ貿易を行っていた頃賑わっていたこの港にコショウなどの香辛料が集まってきました。このラ・スペツィアは、スパイスの語源でもあります。

また、このメディチ家の娘、カテリーナ・デ・メディチが後のフランス国王アンリ二世と結婚した際に連れて行った料理人達がフランス宮廷料理の礎を作ったと言われています。

本物のオリーブオイルは、簡単なお料理ほど味に差が出る

オリーブオイルの味を変えると言っても、混ぜ物をするのではありません。実は、オリーブの種類はイタリアだけでも数百あり、それぞれ用途が違っています。オリーブオイルを搾るものもあれば、油分が少ないものは塩漬け用などにします。当然味も違いますし、オリーブの種類によっては、ある一定の地域史か育たない品種もあり非常に複雑で奥が深いです。

完熟した収穫期のタジャスカ種のオリーブ

でもオリーブオイルの味に関しては、結構簡単に調整できます。それは収穫と搾油です。

よくオリーブオイルの広告で、オリーブの収穫方法が”早摘みの手摘みだから美味しい”とか”完熟だから美味しいとか”を目にします。あれは、どちらが美味しいかと申しますと、両方同じだと思います。(笑)早摘みと完熟してからの収穫は、味の方向性を決めるだけで、美味しさとは直接関係ありません。

早摘みのオリーブオイルは、味の青さや辛さを引き出したいので早摘みします。ちょうど早摘みの果実の味が強いのと同じです。一方、マイルドな味のオリーブオイルを作りたいならオリーブの実の完熟を待ちます。

オリーブの実を手摘みにするのは、そうしないと早めの青めのオリーブの実が収穫できないからです。青い実はいくら木を揺すっても落ちてきません。

そして、もうひとつ大事なのがオリーブオイルの鮮度。食用油に鮮度という発想は馴染みが無いかも知れませんが、オリーブオイル(この場合はエキストラバージンオリーブオイル)は搾油工程で熱が加わっていないため、オリーブの実ジュース。本来は飲めて当たり前のオイルです。本物のオリーブオイルなら、全く油っぽくありません。

この地元の食材にあわせて味の調整がされた地元産のフレッシュで鮮度の良いオリーブオイルをたっぷり使ったお料理。これがイタリアの田舎で出会うオリーブオイルが美味しい簡単だけど本物のお料理です。日本で体験できない理由は、本物の鮮度が良いオリーブオイルが手に入りにくい事情もあります。

オリーブオイルの鮮度に関しては、オリーブオイルの選び方にも書かせていただいています。よろしければご一読ください。

オリーブオイルの乳化は食べにいものを美味しく食べる技術

日本ではお馴染みでもイタリアには無いお料理の技術があります。それは乳化。乳化とは、そのままでは油っぽくて食べにくい食物油に空気を含ませることによって食べやすくする技術で発祥はフランス料理です。

イタリアでは、飲める鮮度のオリーブオイルが簡単に手に入りますので、この乳化の技術は不要。不要と言うより乳化はオリーブオイルの味を薄くしてしまうので、乳化させない方が新鮮なオリーブオイルを使用している場合はお料理が美味しいです。

本物のオリーブオイルでイタリアの田舎料理をご家庭で簡単に

オリーブオイルの鮮度と使い分けが大事な事を知っていても、飲食店の場合色々な事情でオリーブオイルに拘れないお店もあります。仕入れルートの問題や大きなお店でしたら経理部門との兼ね合いで、致し方無く業務用のオリーブオイルを使う場合があります。安価な業務用オリーブオイルは、飲んで美味しい鮮度のものは稀です。そのため乳化など技術を駆使して美味しく仕上げることになります。

ただし、その場合はオリーブオイルがお料理の主役にはなれません。イタリアの田舎の食堂で出会う本物のオリーブオイルが主役のおいしいお料理は、ご家庭の方が再現しやすいと思います。イタリアの田舎の食堂では難しい技術が必要なお料理は作りません。

田舎の食堂で味わうカプレーゼ。モッツァレラチーズとトマトをスライスしてハーブにたっぷりのオリーブオイル。それにこの店はケッパーも加えていました。これだけですけど、すこぶる美味しい。

田舎の食堂で味わうカプレーゼ。モッツァレラチーズとトマトをスライスしてハーブにたっぷりのオリーブオイル。それにこの店はケッパーも加えていました。これだけですけど、すこぶる美味しい。

さて、おいしいオリーブオイルで本物のイタリアの田舎料理を再現するときのポイントととしてレシピの選び方があります。本やWebサイトで色々なイタリア料理のレシピがありますが、大事なのがレシピの中にバターなどの乳製品を使用していないことです。

バターなどが出てくるレシピの場合、オリーブオイルが脇役になっていることが多いからです。それはイタリアの地方ごとの食文化に由来します。

イタリアでもオリーブオイルを使わない地方もある

色々調べたり食べ歩いたりすると、オリーブオイルが料理の主役のエリアは、イタリア半島北中部のトスカーナ州あたりまでみたいです。それより北のボローニャがあるエミリアロマーニャ州やミラノのロンバルディア州あたりのレシピになると、だいぶバターが幅をきかせてきています。北部はオリーブオイルよりもバターの方が手に入り易かったようです。イタリアも戦前位までとても貧しかったので、あまり多くの食材は使用していません。

その頃に書かれた本を読んだことがあるのですが、作者はトスカーナに住んでいたごく平均的な家庭の人でした。食事と言えばトウモロコシの粉で練ったポレンタと言われるものばかりだったそうで、味付けは塩味。いつも塩だけでは物足りないので、時折アンチョビが付くらしいのですが、食べ方は、アンチョビをポレンタにペタペタ付けるだけ。アンチョビは回収して他の料理に使用。これくらい貧しかったみたいです。

一方、オリーブオイルの方が手に入り易かったイタリア南部は伝統的なレシピにバターは登場しません。南イタリアの人にとってバターは異質なものに見えるようです。今でも、南イタリアのお年寄りは「北の人達は、バターという牛乳を固めた変なものを食べる」と言う人がいるくらいです。

以前、シチリアでティラミスを作ろうとマスカルポーネを探したら売っておりませんでした。お店の人にもはっきり「そんなものは無い」と言われました。有名なマスカルポーネチーズも”そんなもの”扱いです。(笑)

鮮度の良い良質なエキストラバージンオリーブオイルはサラサラ

さらにイタリアの味に近づけるオリーブオイルの使い分け

こだわったらキリが無いのがお料理。
でもオリーブオイルを使用したお料理の場合どこまで拘れるか考えてみましょう。それは、「お料理のルーツとオリーブオイルの産地をあわせてしまう」ここまでくれば本物でしょう(笑)

イタリアの場合、簡単なお料理でもレシピを遡ると発祥地域があります。お料理の発祥地を探して発祥地のオリーブオイルを使えば、それだけでかなり本物のお料理になります。

例えば、有名な魚介料理アクアパッツァ(acqua pazza) は、ナポリという町が有名な南イタリアのカンパニア州のお料理です。このお料理にあうオリーブオイルを探します。方法は簡単「カンパニア州 オリーブオイル」で検索してみてください。オリーブオイルの候補が出てくるはずです。そして、そのオリーブオイルの商品名ないし生産者名を検索してみて海に近ければ、魚介料理のアクアパッツァに向いているオリーブオイル。という具合です。

オリーブオイルはお料理にとって調味料であり出汁のような役割もします。
そのためお料理とオリーブオイルの産地が同じなのは本物の味に近づけるもっとも簡単な方法です。例えば、関東の鰹出汁で関西方面のお料理を作るのは難しいですよね。これとおなじような事だと思います。

産地を選びながらオリーブオイルを買う方法に関連した記事です。よろしければご参照ください。

オリーブオイルの選び方、味見ができない通販での買い方 
オリーブオイルの選び方(ラベルの読み方)

オリーブオイルで本物のイタリア料理にする方法のまとめ

オリーブオイルの本場イタリアの簡単な田舎料理は、プロも感動するくらい美味しいけど日本で食べることができない。と思われがちですが再現する方法があります。

1.実は、野菜や肉魚など生鮮食品は日本とイタリアは似たようなものを使っているから再現する下地があります。

2.生鮮食品以外でも塩やハーブなどもイタリアで使われているのと同じか似たようなものは日本で手に入ります。そのため感動的なくらい美味しいイタリアの田舎お料理と味が決定的に違う要素はオリーブオイルの使い方と質になると思います。

3.オリーブオイルの味をお料理にあわせて「辛いもの」や「苦めのもの」に使い分けると、味はかなり本格的なイタリアの田舎お料理になれます。さらに、お料理の発祥地とオリーブオイルの産地をあわせれば完璧(笑)

4.ただし、大事なのはオリーブオイル自体が美味しいこと。オリーブオイルも考え方次第では生鮮食品。鮮度が良くて飲んでも美味しいくらいのオリーブオイルを使う事がとても大事です。

5.実は飲食店では、ここまでオリーブオイルに拘れない場合が多いです。ですから、ご家庭の方が「感動的なイタリアの田舎の食堂」を再現しやすいと思います。ポイントは鮮度の良いおいしいオリーブオイル。です。

« Previous | Next »